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クリテオ 新客獲得の新広告展開へ、休眠客活性化広告も本格化

仏ネット広告配信事業会社の日本法人、クリテオは今夏にも、通販事業者などの広告主に向けて、新規顧客獲得のための新たなウェブ広告「クリテオ・カスタマーアクイジション」の提供を始める。
クリテオは多くの広告主のサイトの訪問者の行動履歴などを分析し、それらを蓄積した独自データベース(DB)を構築。「カスタマーアクイジション」では当該DBを用いて、広告主が広告で訴求したい商品について最も興味・関心を持ち、購買に至る可能性が高いユーザーに対してのみ、バナー広告をクリテオが連携する様々なウェブサイトの広告枠などに配信するもの。
すでに同広告を利用する海外企業では他のウェブ上での新規顧客獲得手法に比べて、注文件数が4倍となり、1受注あたりの新客獲得コストは従来比で70%低減したケースもあったという。「カスタマーアクイジション」は7月以降をメドに日本でも提供を始める考え。
クリテオではこのほか、1月からテスト展開を始めた休眠顧客の再購入などを促す広告「クリテオ・オーディエンスマッチ」を今春をメドに本格展開を開始する予定。
「オーディエンスマッチ」はクリテオの独自DBに広告主が保有する顧客リストの中から、再購入を促したい特定の顧客ターゲットをマッチングし、当該ユーザーの関心や属性に合わせた効果的な広告を配信するもの。休眠顧客の活性化のほか、実店舗で購入実績がある顧客に対してECサイトでも購入を促す試みなどにも効果的なようだ。同広告を利用する海外企業では2年以上、購入実績のない休眠客に対し、当該企業の人気商品の広告を配信したところ、50%以上、売り上げが伸びた事例もあるという。
なお、広告主が「オーディエンスマッチ」を利用する際の条件として、同一人物が使用する複数の端末を横断して行動や興味関心を特定・分析し、当該ユーザーに最適な広告を配信するために各広告主から提供を受けた顧客のメールアドレスを匿名加工情報にハッシュ化した識別子をもとにクリテオが構築を進める「ユニバーサルマッチ」に参加する必要がある。そのため、「オーディエンスマッチ」を配信したい広告主も自身が持つ顧客のメールアドレスをハッシュ化した識別子をクリテオに提供し、DBにアップロードし、マッチングする必要があるという。
「オーディエンスマッチ」は欧州などでは1年前から展開しているが日本では1月から衣料品販売事業者ら数社とテスト展開を始めたばかり。広告効果などを見極めつつ、4月ころをメドに本格的な展開を行いたい考えだ。
なお、「カスタマーアクイジション」「オーディエンスマッチ」ともに広告料金はCPC課金で最低20円から実施可能となっている。
クリテオはこれまで広告主のサイトで商品を閲覧した人に当該商品の写真や情報を瞬時に広告に挿入し、リターゲティングを行うディスプレイ広告を配信する「クリテオ・ダイナミックリターゲティング」を軸に事業を展開してきたが、これに加えて「カスタマーアクイジション」および「オーディエンスマッチ」の提供を強化することで事業規模の拡大を図っていく考えだ。

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