セレクトショップ運営のアーバンリサーチは、自社のアウトレット商材を専門に取り扱う通販サイト「アーバンリサーチアウトレット」(画像)の初年度(2018年1月)売上高が5億2500万円となり、スタート時の計画値(3億円)に対して倍近い水準で着地した。
ECチャネルでは他社サイトを活用して旧商品を販売してきたが、実店舗の新設が続いていることから在庫も増えており、16年11月に自社運営のアウトレット専用サイトを立ち上げることで販売機会を増やした。
サイト開設に当たっては、複数の倉庫に分散していた旧商品を東大阪の専用倉庫で管理し、当該拠点に入庫した商品は「アーバンリサーチアウトレット」を通じて一年中、販売できるようにしている。
同社では旧商品の販売であってもアイテムごとの利益率を考慮した上で割引率を決めるなど、単なる在庫処分の場として展開せずに効率的、効果的な販売を行うとともに、プロパー品を扱う主力の通販サイト「アーバンリサーチオンラインストア」と同様に売り場としてのクオリティーも重視している。
一方で、アウトレットサイトは主力サイトとは別のシステムで運営。自社の会員サービス「URクラブ」とは連携しておらず、独自の集客施策を実施することで、アーバンリサーチを知らない消費者層にもアプローチしたい考えだ。
最近では、リアルタイムで販促ができる「LINE@」のアカウントをアウトレットサイトで開設し、友だち追加したユーザーに全商品対象の5%オフクーポンをプレゼントするキャンペーンを開催しているほか、遊びの要素を取り入れた販促策も実施。スマホサイト限定で最大30%オフクーポンが当たり、毎日1回チャレンジできる「あみだくじ」ゲームを展開している。
アウトレットサイトでは、プロパー品のセール期間が終わる2月と8月の年2回、大型イベントを開催しており、18年2月は単月で過去最高の売り上げとなるなど、順調に成長してきているが、引き続きSNSなどを活用した情報発信を強化し、”エブリデイロープライス(毎日お買い得)”を訴求することで、19年1月期はアウトレットサイトで前年比約5割増となる8億円を目標とする。
アパレル企業として、プロパー商品はシーズン中に売り切ることがベストで、利益面も含めてアウトレットECの戦略立案は難しい点もあるが、当面はリアル店舗の成長で在庫量自体が増えているため、自社で旧商品を消化できるチャネルとして重視する。同時に、アウトレットサイトを有効活用することで主力サイトや実店舗の鮮度を保って定価販売につなげたい意向で、とくに主力サイトでは「URクラブ」会員を対象に定価での販売につながるプロモーションを強化していく。