丸井グループはネットとリアル(店舗)の連動を強化する。一環として、12月10日から自社通販サイトの取り扱い商品に店頭在庫を表示する取り組みを始めた。スタート時は通販サイトで販売する商品の40%に当たる約2万型を対象とし、順次、拡大させて顧客の利便性向上につなげる。ひとつの通販サイトで複数ブランドのファッションアイテムの店頭在庫を検索できるサービスは国内では初めてという。
丸井では、通販サイト「マルイウェブチャネル」で購入したい商品のカラー、サイズを選択した後、「マルイ店舗在庫をしらべる」ボタンをクリックすると、1点以上在庫がある店舗と売り場の名前、問い合わせ用の型番が表示されるようにした。
在庫データは1時間ごとに更新し、表示された店舗名をクリックすると、別画面で代表電話番号と営業時間なども出てくる。
同社では、店頭と通販の垣根がなくなりつつあるとしており、実際、店舗の利用客にウェブアンケートを実施し、来店前に丸井のウェブサイトを見るかどうか聞いたところ、「よく見る」(12%)もしくは「たまに見る」(41%)と回答した顧客が過半を占めたという。
このため、通販サイトで扱う商品がどの店舗に残っているかを表示することで、ウェブで下見をして店頭で購入したい消費者や、ウェブで見た商品が今すぐ欲しいという顧客のニーズに応える。
丸井の店頭連動の取り組みについては、2008年11月にネット販売と店舗の在庫を一元管理し、通販サイトで商品が品切れしている場合でも、店頭在庫を引き当てることで欠品を防ぐ取り組みを開始。現在、通販サイトで扱う型番の約40%に対応しており、今回の店頭在庫表示はこれらの商品が対象になっている。
一方、09年4月には通販利用者が不満に感じる「試着できない」「返品が面倒」などの声に応えて、ネットで購入した商品の試着や受取り、返品ができる「ウェブチャネルパーク」を新宿マルイ本店に設置。現在は横浜や大阪など計5店舗に対象店舗を広げている。