ウェブサイトの制作を手掛けるクーネルワークが運営する、新潟の産直品を紹介する仮想モールサイトの2018年度(1~12月)は出店者数が270店舗に拡大した。前の期と比べて58%増に増え、食品だけでなく工芸品を扱う出店者を開拓したことで取扱いカテゴリーが広がった。流通総額は同42%増の1億7000万円だった。SNSを活用した販促が奏功し、認知度の向上につながった。
運営する仮想モールは「新潟・直送計画」。新潟県内の食品や工芸品を取り扱う。新潟の生産者が出店者となって商品を供給し、クーネルワークが商品ページの作成や顧客対応、代金回収などの業務を手掛ける。
18年度の年間発送件数は同36%増の3万9000件だった。人気商品は、新潟産の西洋梨「ル・レクチェ」で、18年度は3000件以上の受注を獲得。県外での認知度が向上し、ギフト需要を獲得につながった。ジャンル別では「米」が人気で、「コシヒカリ」が売り上げの71%を、「新之助」が17%を、「こしいぶき」が8%をそれぞれ占めた。
ターゲットは県外に住む新潟県出身など新潟に縁のある人。中元や歳暮などのギフトでの利用が多いという。18年度はフェイスブックやインスタグラムなどSNSを活用した販促に注力。インスタグラムではハッシュタグを参考に新潟に関心が高いユーザーへの「いいね」や「フォロー」を行い、認知度の向上を図った。インスタグラムから通販ページへの誘導を強化することで、アクセス数の拡大にもつながった。なお、エリア別注文比率は東京など関東圏の注文が45%を占め、新潟県内からの注文が15%だった。
今期(19年1~12月)は今春をメドに3億円の資金調達を行う。調達した資金を活用して、20年までに山形や宮城、長野、富山のそれぞれの県別に産直品を紹介する仮想モールを立ち上げる。
「新潟・直送計画」の参加店舗数は400店舗まで増やす。食品以外の出店者の開拓や、サイトの知名度が低いとしてこれまで出店につながらなかった店舗の出店を促していく。流通総額は同50%増の2億5000万円を計画する。今期はLINEの活用を積極化し、リピーターの育成に注力する考え。