特定適格消費者団体の埼玉消費者被害をなくす会（＝なくす会）が、アマゾンジャパンに消費者への返金を要請している。一部商品で「送料無料」と表示していたが、実際は送料が加算されていた。なくす会は、事象の公表を求めたが、アマゾンは公表しない趣旨の説明を行っている。複数回のやり取りを行い、今年４月のアマゾンの回答が最後。改めて申し入れするかに、なくす会は「確定していない」としている。
マーケットプレイスの商品画面で「関東への配送料無料」と表示されているにも関わらず、決済時に配送料が加算される事例が発生していた。２０１７年１２月、なくす会への消費者からの情報提供で発覚。なくす会の問い合わせに、アマゾンは原因をシステムのバグと説明している。
問い合わせを受けて、アマゾンは昨年８月にシステムを改修。これまで１７件の発生を把握しており、すでにギフトカードやクーポンなど送料相当分を返金している。
申し入れでは、送料加算が発生した消費者への通知・返金、事象を公表して消費者に周知することを求めている。
アマゾンは、送料の表示は、出品者が自由に設定・変更でき、変更履歴が記録されないためバグが発生した時期や送料加算件数を把握することが「技術的に困難」と回答。事象の公表は行わない趣旨の回答を行っている。一方で、個別の問い合わせについては返金する意向を示している。
なくす会は、返金状況の定期報告も求めたがこれには回答していない。