Sun, November 19, 2017

いまさら聞けないECの基本をおさらい【フェイスブック広告】

フェイスブック広告の活用術 基本編

EC事業者の定番広告に

「最近は“フェイスブック(FB)広告”が多いですかね」─。ネット販売実施企業に継続的に出稿するネット広告の種類を尋ねると多くの企業から聞かれる声だ。販売する商材のジャンルにもよるが、化粧品や健康食品など単品通販系や「F1層向け」など明確にターゲットが定まった商材を販売する事業者にとって、「フェイスブック」の上に掲載される“FB広告”はもはや定番のネット広告となっているようだ。

そのEC事業者にとっても定番広告となったFB広告の特徴を改めて見ていく。その最大の特徴は世界で約10億人、日本国内でも2300万人の月間ユニークユーザーを抱える巨大SNS、フェイスブックのPC・モバイル画面で新着情報や更新情報が表示される「ニュースフィード」上とPCサイト画面の「右側広告枠」において、最低1000円というごく少額の予算から、テキストや画像、動画を活用して、確かな属性ごとに広告配信が可能な事だ。「“届けたい人”に“届けたい時”、“届けたい内容”を届けられる」というマーケティングの理想に近い展開が可能となっている。

特にFB広告が優れた点はそのターゲティングの精度だ。FB利用者自身が登録した性別・年齢・住所・誕生日などの個人情報のほか、利用者が「いいね」をクリックしたFBページなどを分析した興味関心別などで配信対象をセグメントできる。

このほか、広告主が保有するメールアドレスや電話番号、フェイスブックIDなどの顧客情報とFBのデータベースを照合し、広告主の顧客内でさらにセグメントされたユーザーだけに広告配信ができる手法「カスタムオーディエンス」や広告主サイトに訪問履歴のあるFB利用者のみに広告配信する「ウェブサイトカスタムオーディエンス」、広告主の顧客属性に似ている見込み客だけに広告配信する「類似オーディエンス」など広告主側の情報なども組み合わせたターゲティングも可能となっている。

大きく3つの広告場所と様々なターゲティングを掛け合わせて、さらにテキストや画像、動画など広告のクリエイティブの組み合わせも考えるとやり方は無限。また、広告料金もターゲットを限定するなどすれば安価であり、広告主の目的に合わせてより自由度が高い広告配信ができる仕組みとなっていることから、多くのネット販売事業者も利用している定番広告となっているようだ。

FB広告を活用し、実効を上げたネット販売事業者は少なくないが、それにはいくつかのポイントがあるようだ。FBでも成功事例をサイト内で公開(=上画像=https://www.facebook.com/business/success)しているが、総じて言えることは各社が新規顧客獲得や既存顧客活性化など「目的」を明確に定め、ターゲットや広告表現のテストを繰り返し続け、最適な形を見出せるか否かに成果のカギがあるようだ。まだ、FB広告の出稿経験が少ないネット販売事業者はまずは小さくスタートさせ、試行錯誤を始めることが成功の第一歩となりそうだ。

「FB広告」、EC事業者の活用のポイントは?

FB広告におけるEC事業者の活用のポイントなどについて、Facebookで日本を含むアジア・太平洋地域で広告事業を担当するRegional Product Marketing Partnerの小黒弘之氏に聞いてみた。

ターゲットを絞ってまずはスタート ただしリーチ数も重要 絞り込みすぎは購買率低下も

Q:FB広告の利点とは。

A:「届けたい人に届けたいメッセージを届けたい時に届けられる」というマーケッターが目指している理想に近いことができる点だと思います。EC事業者の皆様にとっても、非常に有用な広告サービスだと思われます。オムニチャネルのような言葉も出てきて小売業界の環境は大きく変化していますが、「新規顧客獲得」「売り上げの促進・顧客単価の向上」「リピーターの獲得・ロイヤリティの醸成」の3つがマーケティングの本質であることは変わっていません。ただ、小売環境の変化でチャネルが増えてくるとマーケティングの全体像が見えにくくなる状況も出てくると思います。販売チャネルにとらわれず、横断したマーケティングプラットフォームが必要になるはずですが、それに「人」が中心となるサービスであるFBがなれると考えています。色々なチャネルがあっても、その人は1人しかいません。PCとスマホと1人が複数のデバイスを使用していても、FBであればユーザーIDベースで追いかけられるので効果的な広告配信が可能になります。

Q:EC事業者がFB広告をうまく利用するためのポイントとは。

A:1つは広告のクリエイティブです。FBの「ニュースフィード」は非常にパーソナルな場所なので、あまり「広告っぽい」ものは簡単にスルーされてしまいます。例えば、単に製品画像というよりは“人間味”が感じられるようなものや、動画広告の場合は最初の数秒を意識した目を引くものの方が、引きが良かったりします。例えば、訴求したい商品を手で持っている感じとか。また、ユニークなところでは動画を使った広告なのですが例えば「スープ」の画像で湯気だけが“ゆらゆら”と動いている「動くポスター」のような手法が意外に引きが良かったりしました。とは言え、何をどんな層に訴求するのかで成功パターンは変わります。意外にクリエイティブを1つしか用意していないという広告主も多くいます。複数のクリエイティブを作成頂き、ABテストをされて、より効果の高い広告を残して、出稿を増やしていく方が効果的だと思います。

Q:FB広告の初心者にとってターゲットの設定などが難しいと思いますが、まずどうすればよいですか。

A:広告主の目的次第ですが、まずは広告主の主要顧客層から初めてみてはどうでしょうか。限られた予算であれば、コア層、例えば20代女性をベースとして広告を出すと。もう少し予算があれば、例えば、周辺の30代女性にも出して比較してみるなど、試行錯誤してみると。次のステップとして、例えば「カスタムオーディエンス」や「類似オーディエンス」を試してみたりしてもいいかも知れません。

Q:FB広告の使い倒している事業者へのアドバイスは。

A:リーチが大事と申し上げたいですね。とかくCTRやコンバージョンレートなど効率を追いがちですが、そうするとどんどんそのキャンペーンの広告配信が狭くなっていってしまい、コンバーションが取れなくなるという壁によくぶつかります。コンバージョンに最も相関があるのはクリック数でなく、リーチ数、つまり到達人数です。リーチを広げてみると、逆にコンバージョンが回復するということはよくありますので、そのあたりを意識されてみてもいいかも知れません。

Q:リーチを広げる際のポイントは。

A:FBのシステム上で簡単に発行できる「コンバージョンピクセル」と呼ばれるタグを埋めて頂くとコンバージョンが起きるたびに、要は商品購入完了画面でそのタグが踏まれるたびに、その情報がFBサーバーにいき、当該顧客の属性に近い、コンバージョンしやすい人を判断して広告配信が最適化されていく機能があります。この「コンバージョンピクセル」を使った上で、配信数を大きく広げてFB側での配信最適化を待つという方法はお奨めしたいですね。

Q:今後のFB広告の方向性は。

A:日本の広告主の皆様からは米国で実施していて日本ではまだやれていないサービスなどについて要望が多いです。米国ではデータ専門業者などと連携して、購買情報、例えば「自動車の新車を購入する予定のある人」などでターゲットできたりします。また、テレビCMのように人数と視聴回数の掛け合わせなどGRP(述べ視聴率)で広告配信ができたりとか。日本での実施は未定ですが、いずれにせよ、さらに進化させていきたいと考えています。

フェイスブック広告の活用術 実践編【ルクサの場合】など続きは本誌にて→購読はこちら

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