ベビー・キッズ・マタニティ商材のEC、少子化も商品・提案・販促力で各社拡大へ

  千趣会が展開するみんなの育児日記

少子化の進展で厳しい市場環境となっていくことが予想されるマタニティおよびベビー、キッズ商材。市場環境は決してよくはなく、むしろ逆風と言えなくないが、中には実際の購入者となる母親層との接点作りや母親層の声を反映した商品開発、マタニティ・ベビー専業事業者の買収による提案力の強化、孫への出費を惜しまない祖父母層への商品訴求など様々な工夫や施策を展開し、好調に売り上げを伸ばす企業もあるようだ。マタニティおよびベビー、キッズ関連商品を扱う通販実施各社の取り組みを見てみる。

接点作りや親子3世代提案を

マタニティ・ベビー関連の積極的な取り組みを見せるのは千趣会だ。同社は総合通販の中でも、いち早くマタニティ・ベビーカテゴリーへの対応を開始しており、現在では、同商材が新規顧客の入り口商材となっており、様々な施策を展開する。

まず、新規顧客開拓では、今年4月から全国約450の提携産婦人科で、生後間もない赤ちゃんの食事や排せつ、睡眠などの状況を記録し健康管理に役立てる「みんなの育児日記」の無料配
布を開始した。

同社では、ベビー・マタニティ商品利用顧客との接点となる産婦人科に独自のルートを持っており、以前から提携産婦人科で出産した母親の退院時に通販カタログと赤ちゃんの肌着の無料配布を実施。だが、肌着の場合、一過的な利用にとどまり顧客との関係性がなかなか続きにくいことが課題だったという。

これに対し、「みんなの育児日記」は、顧客との継続的な関係作りに主眼を置き、“時間を超えて親子の絆をつなぐパスポート”をコンセプトに、子育て支援サイト「ベビータウン」と共同で開発。0~5カ月用の「前期版」と生後6~11カ月用の「後期版」を用意し、「前期版」の利用者が赤ちゃんの成長にあわせて「後期版」を請求するという形で複数の接点を創出。「ベルメゾンネット」の「みんなの育児日記」特設ページから育児関連商品ページへの誘導などで通販との連携を図る考えだ。

一方、切り口を変えた取り組みとして挙げられるのは、昨年7月に開設した祖父母世代顧客の孫向けプレゼント利用を狙った通販サイト「まごスマイル」と言える。同サイトは、出産準備や産後の育児、誕生日などの経済的な支援を行う50代以上の祖父母世代の女性、子ども(孫)を通じて親子3世代のコミュニケーション作りを図りたい母親(娘)の利用を想定したもので、孫の成長に応じて必要になる衣類や孫の帰省時に備えて自宅に置く布団や椅子玩具、ギフト需要に対応した商品などを販売。

また、親子3代のコミュニケ―ション作りを重視したのも特徴で、母親が子どもに与えたい商品を祖父母に知らせる“おねだり”機能を付加するほか、祖父母と孫の写真投稿コーナーの設置や親子3世代の旅行提案などで需要の喚起を図る。千趣会の取り組みは独自性が高いと言えるが、これも長年ベビー・マタニティ商材を展開してきた同社ならではのものだろう。

ママの声で欲しい商品作る

ディノス・セシールはセシール事業で展開するキッズ衣料で実施している試みが実効を上げているようだ。「通学着プロジェクト」だ。この試みは小学生の子どもを持つ母親の声をもとに通学や学校生活で求められる機能を付加した開発した商品のことで、ここからすでに様々なヒット商品が生まれているようだ。

「通学着プロジェクト」は2011年から開始した商品シリーズで、これまでに着脱可能なフードの採用や教室の椅子にかけた際の着丈に配慮したパーカージャケットや季節や気温に応じて丈が変えられるカーゴパンツなどを展開している。小学生だった既存顧客の子どもが成長しキッズを卒業する一方、小学生の子供を持つ新規顧客の獲得が難しくなり、苦戦が続いていたキッズ衣料の中で、予算を上回る売れ行きを示すなど、同シリーズはけん引役となっているようだ。

最近のヒット商品は、母親層顧客の「ボトムのひざだけがすぐ破れる」という声をもとに開発した「ひざ強化パンツ」。ひざ部分にあて布をし、二重仕立てにしたもので、模様入りのあて布とすることにより、破れてもおしゃれなイメージにしたことなどが奏功、好調な売れ行きだという。同社ではこれを受け、今後のカタログ展開で「ひざ強化パンツ」を「通学着プロジェクト」から卒業させ、単品で商品を訴求することも検討しているという。

少子化の進展に伴いキッズ衣料の展開は難しさを増しているが、子どもにはしっかりとしたものを着せたいという母親層の考え方に変わりはない。「通学着プロジェクト」は、この母親層のニーズに応えることで順調な推移をたどっていると言えるだろう。

EC専業もキッズ・ベビーに注力

EC専業の中でも新たにキッズやベビー関連商品の拡販を強化する動きもある。

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