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在宅で需要が急増各社がネットてこ入れ

 新型コロナウイルスの感染拡大で、販売に大きく影響を受けた商材の一つとして、「家具・インテリア」がある。元々、3、4月は新生活シーズンで高い需要があったものだが、今回の新型コロナウイルスによる外出規制に伴い在宅時間が長くなり、改めて家の中のレイアウトや調度品を見直す機会が増加。加えて、リモートワークの導入も進んだことでデスクやチェアなど関連用品の需要も高まり、例年以上の売り上げとなったところは少なくない。

4、5月は実店舗が休業ECでの購入が広がる

 家具・インテリアなどを軸にECを展開するジェネレーションパスでは3、4月の同ジャンルの売上高が好調となり、4月までの中間期の売り上げ拡大に貢献。5月の連結売上高(家具以外も含む)についても前年同月比で53.1%増となるなど、伸びが続いていた。

 家具・インテリア販売が伸びた理由として「実店舗自体が営業できない状況はかなり起きていて、全体的に見ると需要は減ったのかもしれないが店舗が落ちてECが伸びたのではないか」(同社)と分析。主には新生活シーズンの需要品でもあるデスクやチェア、ソファなどが好調だったという。そのほか、リモートワーク関連でも、自宅用の仕事デスクなどが例年とは違った伸びを見せていた。家具以外の商品を扱う同社の場合、今回は売れ筋の明暗がはっきり分かれたようで、ファッションや嗜好品が伸び悩んだ一方、家具・家電などは好調だったという。

 また、仕入れ先としても6月頃から少しずつではあるが、新規で家具関連の企業からの引き合いが来るようになったという。これまでECに販路を持っていなかった企業や通販での成果をさらに上げたい家具関連企業などでネットでの販路開拓を求める傾向が見られているようだ。


フライミーの通販サイト

 家具・インテリアECを行っているフライミーでは、この3~6月について例年とは異なる相当な伸びを見せたという。元々、同社自体が新型コロナウイルスの影響とは関わりなく毎年成長しており、ブランド数も純増して、現在は約800ブランド・2万点以上の商品を展開。認知度の上昇などと合わせて売り上げが急増したとの見方を示す。

 その上で、在宅時間の拡大で家具・インテリア自体の価値が見直された印象を受けており、新規の顧客も急増した。期間中に消費者の衣食住の「住」に対する投資意欲が高まっているとする。

 商材としては例年に比べると、デスクやデスクワゴン、オフィスチェア、テーブルランプやシーリングライトなどの照明、時計などのジャンルの伸び率が高くなった。緊急事態宣言解除後も変わらず伸びており、7月以降も伸びは継続すると見込んでいる。「元々、家具・インテリアはEC化のスピードが速いジャンルだったため、今回の影響で一気に加速している感覚がある」(同社)とした。

バーチャルコンテンツが話題に

リグナでは先行してテレワーク特集などを実施

 家具・インテリア雑貨のECを手がけるリグナでは3月~5月にかけて売り上げを大きく伸ばした。売上高を単月で見ると、3月は前年同月比70%増、4月は同50%増、5月は同84%増となり、注文件数ベースでも、3月は同14%増、4、5月については同100%以上の増加となった。

 傾向として、高額品ではなく照明といった比較的低単価商品の販売が好調。受注生産のソファやベッドなどとは異なり、短納期であることから購買意欲をすぐに満たせるという点で人気となった。

リグナが提供するリモートワーク向けのデスク・チェア

 同社の場合、この時期の売り上げ拡大の背景には事前の備えが大きかったという。「2月に豪華客船での新型コロナウイルスの感染ニュースを受けた時点で、海外のように外出自粛が始まる場合を想定していた」(同社)とし、実店舗で行う予定だった催事などを取りやめて、その分のマーケティングコストをウェブ広告などに転嫁。その際にも前述の低単価商材を取り上げた広告内容にして、心理的な購入ハードルを下げていった。

 また、並行してメディア向けの広報戦略にも注力。テレワークの家具特集や、3Dデータを活用して実店舗での買い物をバーチャルで体験できるウェブコンテンツの開始など、情報発信は早い段階で実施していった。

 結果的にバーチャルコンテンツに関しては、テレビ番組などで取り上げられたこともあって、4月の開始から約1カ月間で6000件以上のアクセスがあり、新規開拓やブランド認知につながったようだ。「必ずしも新型コロナウイルスのためだけに用意していたものではないが、タイミングも重要なので打ち出し方として実店舗に行くのが難しいという切り口で発信した」(同)とした。

 また、同様にバーチャルツールに関連した取り組みでは、ホテルなどの法人向けに家具の卸事業を展開しているテックアットが、6月に家具・インテリア品を取り扱う通販サイト「TOKYOMODERN」を新たに開設した。

[ この記事の続き… ]
◯ 老舗メーカーの「カリモク」が公式通販サイトを開設
◯ イケアやニトリ、大手実店舗 企業もECへの送客を強化
◯ 在宅勤務が恒常化の動きデスクなどの需要、再び拡大も

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