無料で通販サイトが作れるサービス「BASE」を提供するBASEは10月31日、東京・原宿の「ラフォーレ原宿」に、「BASE」の出店店舗なら誰でもレンタル可能な常設店舗「BASE Lab.(ベイスラボ)」を開設した(写真)。同社の常設店は、一昨年6月に「渋谷マルイ」に開設した「SHIBUYA BASE」に続く2店舗目となる。
店舗はハンガーラックと各種ハンガー、ミラー、トルソーなど商品陳列に必要な什器や、レジ、クレジットカード端末、電源タップ、無線LAN、デジタルサイネージなど、基本的な機材をすべて無料で利用できる。固定費用や初期費用は不要で、売り上げの15%を同社に支払う仕組み。
新店舗は、同社が専任スタッフを無料で1名用意するのが特徴となる。レジや接客など、店舗運営経験のないネット販売企業をサポート。店舗は来店者との交流など、販促に専念できるようになる。
店内は約30平方メートル。出店期間は1週間を基本とする。すでに2月末まで出店予定が埋まっているという。オープン日となる31日には、イラストレーターが手掛けるアパレルブランド「トムボニア」が出店した。
渋谷の店舗はこれまで約180店が出店した。コロナ禍以降も、「短期的に売り上げを確保したい」というなどという出店者が多く、応募は引きを切らないというという。同社の山村兼司取締役COOは「新しいファンを獲得することはもちろん、従来からのファンと直接コミュニケーションを取れることに価値を感じたり、モチベーション向上につなげたりしたという声が出店者から出ていた」ことから、新店舗の出店を決めた。
ラフォーレ原宿に店舗を構えた理由については「ファッションのカルチャーを発信していく場所として認知されているし、ショップオーナーからの要望も強かった」(山村取締役)ためという。今後は東京以外にも出店したい考えだ。
原宿店では実験的な取り組みも行う。ARを活用したバーチャル試着や、その場で裾上げやサイズ調整に対応するサービスの導入を検討。ライブ配信ができるスペースの開設や、店舗オリジナル商品を開発するための取り組みなども行う。