AR技術を使った仮想試着ソリューションを手がけるリアクティブリアリティは6月上旬、本国オーストリアと米国カリフォルニア州に続く3カ国目の拠点を都内に開設し、日本法人のリアクティブリアリティ・ジャパンを設立したと発表した。
日本法人の設立はグローバル事業拡大の一環で、日本カントリーマネージャーには長年にわたって欧米系半導体企業の日本法人代表を務めてきた岩本桂一氏が就任した。
リアクティブリアリティの仮想試着技術は、ブランドや小売企業が持つ洋服などの商品写真を3Dに近い画像に変換することができる。導入サイトのECユーザーはサイズ情報を入力することで自分の体型とそっくりなアバターを作ることが可能で、アバターを介して気になるアイテムを仮想試着してサイズ感を確かめられる(画像はイメージ)。
また、導入サイトに商品ごとの細かい採寸データがあれば、EC利用者に対して最適なサイズをレコメンドすることも可能という。
そのため、衣料品ECの課題であるサイズ違いによる返品率を低減したり、ECチャネルでの買い物が楽になることで、「ユーザーひとり当たりの購入金額を大きく引き上げることも期待できる」(岩本桂一氏)としている。
また、同社技術はアパレル実店舗でも使えるようで、通販サイトの代わりに店頭のサイネージミラーに表示させることも可能で、色バリエーションやサイズ展開の多い商品の在庫をSKUごとに持たなくてもいいため、店頭在庫の圧縮にもつながるとする。
同社によると、日本のファッションEC市場ではAR技術がようやく使用され始めたばかりのため、「リアクティブリアリティのARチームの豊富な経験と知識は日本のEC分野に大きく貢献する」(岩本桂一氏)という。
日本ではまず、アパレル企業をターゲットに導入先を開拓していく考え。