アリババ 「サステルへの関心増」

 アリババグループは11月4日、11月11日に行われる「天猫ダブルイレブン」の日本メディア向け説明会を開催した。

 日本法人であるアリババの蔣微筱(ジャン・ウェイシャオ)取締役は、昨今の中国における消費の動向について「若い世代において、グリーンやサステナブルな商品への関心が高まっている」と指摘。今年のダブルイレブンでは、特設の「グリーンダブルイレブン会場」を設けている。11月1日から同会場において、節水効果の高いトイレを販売したところ、最初の1時間で2万5000個売れたほか、9時間以内に環境負荷の小さい「グリーン家電」は12万個売れたという。

 同社が日本企業向けに提供するソリューションとしては、まず日本政府観光局による中国向けの観光プロモーション施策として、ライブツアーとネット販売を融合した取り組みを開始。「Tモールグローバル」と旅行プラットフォーム「フリギー」がサービスとノウハウを提供するもので、ライブツアーで日本各地の魅力や名産品を紹介、中国消費者は中国国内から商品が購入できる。

 また、バックヤード関連の取り組みとして、日本企業はアリババグループの物流企業「菜鳥」の中国国内の保税倉庫に荷物を預けることができる。9~10月における日本製品の貨物量は、前年同期比286%増えたという。さらに蔣取締役は「ダブルイレブンは、中国における国民的なお祭りでありながら、企業にとっては新しい消費トレンドを生み出し、浸透させていくタイミングでもある。さらにはデジタル化を深めて、消費者や企業へのサービスを進化させる総力戦と捉えている。日本企業にも中国市場へのアプローチを工夫してもらい、当社としても全力でサポートしていきたい」と述べた。
 
 アリババグループTモール・グローバルアジアマーケット事業開拓責任者の趙戈(チョウ・カ)氏は、中国消費市場やTモールグローバルにおける消費トレンドなどを説明。趙氏は「コロナ禍後に顕著に変化した点としては、『健康に気をつかう』という需要が大きくなっている」と述べた。オフライン・オンライン問わず健康意識が高まっており、Tモールグローバルにおいては健康食品及び一般医薬品(OTC)が爆発的に成長している。

 また、輸入製品を好む若い消費者の間では、環境に優しい「新たなライフスタイル」への関心・共感が広がっているという。一例として、中古品市場が急成長しており、2020年における市場規模は1兆元に達した。Tモールグローバルでは、ハイブランドの中古品を扱う「RECLO(リクロ)」が出店、売れ行きは好調に推移している。

 教育の分野では、音楽教育への投資が増えている。「タオバオ」のデータでは、中国における楽器の市場規模は約500億元で、世界の楽器市場の20%以上を占める。こうした中で、市場規模の縮小に悩む日本の老舗楽器メーカーが中国市場に進出。1887年創業の老舗バイオリンメーカー・鈴木バイオリンがTモールグローバルに出店した。

 また、コロナ禍後は近場への旅行が盛んになっていることもあり、中国ではキャンプがブームに。日本企業では、大手アウトドアメーカー・スノーピークの人気が高まっている。

 人気の高い化粧品に関しては、2年前からベビー用品を超えて最大カテゴリーとなっているが、トレンドが変化している。これまでは基礎化粧品やスキンケアに集中していたが、今年はクリーンビューティーやヘアケア、ボディケアといったサロン系コスメなど、個性的で特徴ある商品の伸びが加速しているという。

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