製菓・製パン材料などを販売する富澤商店は10月4日、法人向け卸専用サイトをリニューアルした。ワンクリックで簡単に発注できる発注書機能を追加したほか、ロイヤリティプログラムや試し購入サービスなども開始。ECでの需要が増加傾向にある法人向け卸事業全体の売上高で、3年後に現状(16億円)の2・5倍となる40億円を目指す。
富澤商店の法人会員数は前年比104%増と大幅に伸長しており、9月13日時点で1万4750会員。また、法人会員向けにはECによる販売のほか、ルート配送サービス(定期配送)も用意しているが、今後はEC需要が増加すると見て、卸専用サイト(=画像)を刷新することにした。
追加した発注書機能は、ログイン後に発注画面から最短3ステップで発注が完了するようになっており、アナログ発注(従来の帳簿のイメージ)の手軽さをデジタルで再現して使いやすさを追求したという。過去の購入履歴も提示し、当該画面に注文数を入力するだけで注文が完了。さらにマイページには買い忘れ防止アラートや、注文作業の効率を大幅に向上した機能を用意している。
ロイヤリティプログラムでは、法人会員の購入履歴(買い上げ金額)によるランク付けを行い、ランク別に割引やクーポンの発行等のサービスを提供する。試し購入は法人会員でも少量注文できるようにしたもので、新商品開発時などの便宜を図っている。
このほかに、富澤商店のオンライショップ全商品を法人会員価格でより廉価で提供している。
法人会員の増加は、年商数百万~1000万円程度のカフェやパン屋、菓子屋の利用が増えていることによるものという。このほかに、個人で料理教室を開催している顧客からの注文も増えているという。いずれもECを利用しており、従来の問屋とは仕入額が足りず取引きできないケースで同社を利用するようになっている。