オルビスは11月21日、自社アプリの機能を強化した。AI解析により、肌状態や悩みに応じたスキンケア習慣を支援する。個々のユーザーにパーソナライズされた体験を提供することで、顧客満足度やLTVの向上などアプリを起点に関係強化を図る。
「肌カ.ル.テ」は、AIによる顔画像分析、スキンケアやメイクのこだわり(8問)、肌状態や悩み、使用アイテム、生活習慣に関するカウンセリング(15問)の回答から肌状態を分析する。「ベース肌状態(水分、油分、キメ、ハリ、透明感)」、「肌悩み(乾燥、テカリ・ベタつき、ニキビ、シミ、シワ)」を5段階で評価。分析に基づくスキンケア方法、商品を提案する。
商品購入は、エイジングケア、ニキビケア、毛穴ケア、シミ予防ケアなど肌悩みやなりたい肌に応じた11コースから選べる。各コース悩みの深さや、取り組みの手軽さに応じて「かるく」「てきどに」「たっぶり」の3段階を選択でき、全33コースに分かれる。利用ユーザーには、3日に一度、約1年に渡り悩み応じたアドバイスや記事コンテンツ、肌ケアの応援メッセージが届く。24時間365日対応のチャットボット、有人チャットで相談にも対応する。商品購入しないユーザーにもサービスを提供する。
これまで、主に購買データをもとに「Aを購入した顧客はBも購入しやすい」などの相関関係を見出し商品提案していた。一方、アプリでは、肌分析や心理テスト、記事コンテンツを提供。分析結果や記事への関心の傾向など”購買以外のデータ”を活用し、「なぜBが購入されやすいのか」など、顧客の嗜好性、因果関係を深く把握する。これにより最適なコミュニケーションの実現を目指す。
アプリは、18年6月に導入。累計ダウンロード数は460万件、月間アクティブユーザーは60万件に達する(10月末時点)。
当初は、ECや店舗のポイント機能が中心だった。19年4月、専門家によるパーソナルカラー診断「パーソナルAIメイクアドバイザー」(10月末時点の累計ダウンロード数390万件)、20年9月に似合う眉の形とケア方法を提案する「AIアイブローシミュレーター」(同97万件)、同12月に現在の肌状態、生活習慣、顔画像解析から5~20年度の顔立ちを予測する「AI未来肌シミュレーション」(同64万件)を開始するなど、AI解析の分析コンテンツを充実させている。