皮革製品の企画・製作や販売を行う土屋鞄製造所は3月1日、2024年度に入学する小学生向けのランドセル全52製品・約40色を実店舗や通販で発売する。
発売するのは全9シリーズで、全国11都道府県の店舗(直営11店、系列1店、提携3店)と自社通販サイト。販売に先立って、2月1日から全製品を店頭で展示するほか、1月31日から自社通販サイトで公開している。
近年は教材数の拡大やコロナ禍での必需品となった水筒などの荷物の増加も相まって、ランドセルには軽量と大容量というニーズが高まっていた。これに対応すべく、軽量・大容量の「RECO」シリーズについては、21年モデルと比較して重量を100グラム低減し、マチ幅でも1センチメートル広げた。
また、注目商品としては、ジェンダーレスのランドセルシリーズである「RECO(レコ)」から新色を発売。性別にとらわれないデザインを目指した製品で、新色はデニムのようなブルー系の「プリズムインディゴ」と深みのあるキャメル系の「プリズムアンバー」の2種となっており、男女を問わず使える色味として訴求。新色2種を加えた計10色展開で税込8万3000円~8万4000円で展開する。
同社ではEC比率などは公開していないものの、コロナの影響もあって近年はEC比率が拡大しているという。それに伴い、21年からオンラインでの購入をサポートする仕組みを拡充しており、実店舗での長時間滞在を避けるニーズに対応した2泊3日の有料レンタルサービスや、LINEでビデオ通話やチャットの機能を通じてスタッフが直接相談に答えるサービスを開始。今年2月4日からはインスタライブを配信しており、ラインアップの紹介やよくある質問への回答などを行っている。
また、実店舗のない地域などでは、各地で開く出張販売会で現物を見てその後ECから購入するケースもあるとした。
なお、近年の市場動向としては、消費者の約5割が入学の1年前からランドセルの購入を検討するようになっており、購入時期のピークもゴールデンウィークや夏休みなど早期化しているという。
そのほか、原材料の高騰に伴い、主力製品で昨年と比べて1000円を値上げ。原材料の上がり幅が大きくなっているため、価格転嫁せざるを得ない状況になっているとした。