消費者庁は、健康増進法第32条の2(誇大表示の禁止)に基づくインターネットにおける健康食品の虚偽・誇大表示の監視結果を発表した。違反の恐れのある表示は117商品・67事業者。このうち、錠剤・カプセル状の健食は13商品・9事業者含まれていた。前回調査で社名の挙がった事業者が異なる商品で再度、改善要請を受けるケースも出てきており、「課内で対応策を考える必要があるという話は出ている」(食品表示課)としている。
監視期間は、10年12月~11年3月。検索キーワードは、「病者用」「糖尿病者用」「アレルゲン除去食品」など特別用途食品に認められた表現や、「インフルエンザ予防」「花粉症予防」「ノロウイルス予防」など季節性の疾病に対する予防の表現を設定した。ロボット型の全文検索システムを用い、キーワードと完全一致するサイトを確認した。
健食には明確な定義がなく、食品形態や粉末形態のものは含まれないが、カプセル・錠剤上の健食で要請を受けたものは13商品・9事業者だった。実際の表示例は、風邪やインフルエンザ、花粉症予防等に効果のある旨の表示や、SARS等の未知の病気に対する抵抗力の強化作用がある旨の表示。このほか、生鮮食品や飲料、酒類、菓子類、パン類などでも健増法に抵触する恐れのあるものが挙がった。
消費者庁では、要請後に改善が見られない場合、厚生労働省などへ情報提供を検討する。
10年度に実施した過去2回の要請は、全ての事業者で改善が見られたが、監視業務のたびに再三に渡り社名が挙がる事業者もおり、「ネット監視の目的は、要請を通じて事業者サイドの理解を深めること。理解しない事業者は薬事法や景品表示法による対処を考える必要がある」(同)としている。