トライシクル 不要品販売で成長、作対比50%増

 サーキュラーエコノミーの実現を目指すサイクラーズグループでオフィスの中古品販売を行うトライシクルは、売り上げを順調に拡大している。

 主な事業はB2Bのリユース、リサイクル、廃棄までの取引を行うプラットフォームサービスの提供。現在はB2Cにも領域を広げ、「ReSACO(=リサコ)」というサービス名でサブスクライフオフプライス、楽天市場やヤフーショッピング、メルカリなど7モールに出店。各モールには600~700点出品しており、月間100~1000アイテムを販売している。

 サイクラーズグループの前身は金属スクラップや産廃物の処理等を行う東港金属を中核とする東港金属グループ。2020年9月にホールディングス体制に移行。現在は、運輸を担う「TML」、スクラップの買取及び産業廃棄物の中間処理を担う「東港金属」、輸出を担う「トライメタルズ」、これら3社を含めたサーキュラーエコノミーを実現するためのプラットホームである「トライシクル」で構成されている。

 執行役員サーキュラーエコノミー事業本部本部長の小林聰資氏は、「コロナ禍の影響もあり、オフィス用品・什器の仕入れは好調。しかし、在宅勤務が普及する中で従来のB2B市場は縮小傾向にある。その分を埋めるべくB2Cに販路を拡大した。一般的に中古品は仕入れ戦略が重要だが、当社は廃棄処理工場を保有しているため、いわゆる“売れ線”以外の商品も一括でまとめて仕入れることができる。廃棄を前提とした仕入れも可能で、コスト優位性がある点が強み」とする。

 千葉県富津市の自社倉庫は約2万坪で、回収した不用品を大量に保管することができる。在庫数は常時2000~3000。また、大量の不用品を効率的に清掃するため、機械式洗浄機や大型乾燥機なども完備。リユース以外にパーツ取り・リメイク・水平リサイクルなど様々なアップセルにも対応している。

 前期(22年12月期)の売上高は昨対比50%増の9000万円。今期の着地は1億5000万円を見込む。「社内で策定した予算には届いていないが、昨対比50%増は超え、来期に繋げていきたい」(小林本部長)。現状、B2BとB2C(EC)の売上構成比は概ね6対4。今年4月から中古品業者に特化した一元管理システムのワールドスイッチを導入し、在庫管理の効率化などを実現した。

 同社によると、B2Bの中古品販売は店舗型や対面形式が主流で、ECの普及は遅れているという。

 「ある調査会社の市場調査では、22年のB2C市場規模は2兆9千億円。これはメルカリなどの拡大が大きく影響している。一方、B2Bの市場規模は3000億円程度だと見られているが、実態は分からない。旧態依然とした業界の慣習の中で、新規参入企業がECを主軸に伸長している動きもみられる。当社も後発組としてB2B、B2Cの両方でECを強化していく。中長期的には自社通販サイトの開設も目指す」(同)と展望する。

 今年4月にはアマゾン販売のノウハウに熟達した事業者を買収。その知見を活かし、販売力の更なる強化を図る考え。

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