医食同源ドットコム 不競法違反で三国堂に勝訴

 医食同源ドットコムが三国堂を不正競争防止法違反で訴えていた訴訟は2月15日、東京地裁が原告の請求を認め、判決が確定した。損害賠償として1億3187万円の支払いを命じた。製造販売するマスクが模倣品として、製造販売の中止を求めていた。

 三国堂の「新快適スパンレース3Dマスク」が、不正競争行為にあたると訴えていた。三国堂は、22年6月頃から製品の販売を開始した。

 医食同源ドットコムは21年4月末以降、長時間着用における快適性、デザイン性を重視した「立体型スパンレース不織布カラーマスク」を販売していた。

 商品は、接着剤を使わず、繊維を高圧の水流で絡み合わせる「スパンレース製法」で作られ、シルクのような光沢、滑らかな感触に特徴がある。また、マスク本体と耳掛け紐の溶接部に雪の結晶をデザインした刻印がある。

 三国堂は、医食同源ドットコムの製品の形態はありふれており、開発コストも小さく、不競法(2条1項3号)により保護されないと主張した。

 ただ、地裁は、ありふれた形態でも、不競法は創作性や権利登録の有無にかかわらず、他社の開発品に改良を加えず模倣して、市場に提供する行為は自由競争の範囲を逸脱し、不正競争にあたると判断した。

 模倣にあたるかは、知覚で認識する「形状、これに結合した模様、色彩、光沢、質感」(2条4号)と、「実質的に同一の形態の商品を作り出すこと」(同5号)をいう。

 両社の製品は、同じスパンレース製法で作られ、サイズや立体構造、雪の結晶マークもほぼ同じ。カラーバリエーションは異なる。ただ、色違いの同一商品と認識するから模倣にあたると判断した。

 三国堂は、形状等を中国の工場から提案され、やり取りは口頭、実物のみ示されたとする。経過を裏付ける客観的証拠がなく、独自開発、デザイン決定の経緯を裏付ける証拠もなかった。地裁は、書面を残さず開発されたと考えにくいことから主張は採用しなかった。テレビ番組で一定程度紹介されるなどの事情からも、医食同源ドットコムの製品に依拠して製作されたと認めるのが相当との判断を下した。

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