大網 ECの海外比率拡大

 フィギュア商品や玩具などを取り扱う大網では、昨年にEC事業における売上比率で海外が初めて50%超となった。インバウンド需要の回復に伴い、都内の秋葉原に構えている実店舗への訪日外国人の来店数が増加するなど越境ECに好影響を与えている。

 同社は海外版の自社通販サイトを軸に15年ほど前から越境ECを開始。外部の販売チャネルとしては越境ECプラットフォームの「eBay」を活用しており、2023年の同モールのアワードでは「アニメグッズ」カテゴリーで部門賞を獲得している。

 秋葉原の店舗については「当社を知ってくれている(海外の)人の来店が増えた。コロナ禍でアニメ人気が世界的に高まり、ライトな新規顧客にも知ってもらえている」(同社)と説明。来店を機に通販サイト「あみあみ」のロゴを認知してもらうことで、帰国後のEC利用に好循環を与えているとした。
 また、海外比率が拡大している要因には、メーカーとの長年の関係性を活かして一般小売店にはない、同社限定の特典付き商品を扱えることがあり、海外からの指名買いを得る事につながっているとする。

 サイトごとの客層の違いとしては、自社ECではコアなアニメファンが中心となる一方、eBayでは新規顧客やコレクティブル商品を求める層が強い面があると見ている。

 なお、コロナ禍を境に各種の大手動画サイトサービスが世界規模で普及したことから、日本で放映中の人気アニメ作品のグッズなどが海外でもリアルタイムで売れるようになるトレンドが出てきたと分析。その一方で「昔の(定番)作品を好きな人もたくさんいる。幅広い商材を取り扱う中で売れるものは何かを見定めていくことが重要」(同社)とした。

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