ファンケル 「送料無料」見直し

 ファンケルは5月8日、「送料無料」表示を見直す。昨年12月、消費者庁は、販売事業者に自主的な対応を求める要請を行っている。要請を受けた対応を公表したのは、初めてとみられる。

 ファンケルは、再配達削減に向けた「置き配」の取り組みも1997年、国内で初めて導入したとみられる。

 通販の注文件数は、年間約700万件。通販サイトや会報誌、広告の表示を見直し、「送料はファンケル負担」、「送料当社負担」に変更する。

 配送回数の削減、環境負荷低減とドライバーの負担軽減を目的に、4月18日から6月末まで、期間限定の取り組みも行う。物流の「2024年問題」に対応した持続可能な物流の実現に貢献する。

 通販再配達減少では、「置き配」を推進する。「置き配」は、玄関前やメーターボックス、自転車のカゴなど7カ所の中から配送した商品を置く場所を事前に指定する。現在、顧客の約3分の1(23年4月〜9月実績)が利用。サービスを選択して注文した顧客に、1回あたり10ポイント(1ポイント=1円)を付与する。

 複数回の注文をまとめて配送する「おまとめ配送」も提案していく。「おまとめ配送」は、定期購入の顧客がそのほかの商品の注文の際に、定期便と一緒に配送する。19年8月に導入。年間の定期注文に占める利用率は約15%に上る。通常、1回あたり30ポイントを付与するが、期間内は60ポイントを付与する。

 「2024年問題」は、物流関連の対策を講じない場合、24年度に14%、30年度に34%の輸送力が不足する可能性があるとされる。

 消費者庁は昨年6月、適正運賃収受の妨げになるとして「送料無料」表示の見直しを検討した。事業者や消費者団体など複数の団体にヒアリングしたが、「配送コストが送料に転嫁されていないとは確認できない」として、法規制による対応を見送った。一方で、販売事業者による自主的な対応を要請した。
 ファンケルは重要なインフラである物流を持続するため、「送料無料」表示の見直しを推進する。

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