大丸松坂屋百貨店の「明日見世」 フロア移転し面積4倍に

 大丸松坂屋百貨店は9月18日、大丸東京店4階で展開していたD2Cブランドのショールーミングスペース「明日見世(あすみせ)」(画像)を同店9階に移設、リニューアルし、本格事業化する。

 移設に伴い、面積をこれまでの約4倍に拡大。”「買う」から「出会う」へ”をテーマに、従来のショールーミングスペースに加えてカフェやイベントスペースを設けた。買い物だけにとどまらない様々な体験を提案することで、何度も来店したくなる店を目指す。

 同社は2021年10月に「明日見世」をオープン。3年間で226ブランドが出品した。展開商品は約3カ月単位で入れ替える。第一弾は20ブランドが出品。そのうち18ブランドの一部商品が店頭で直接購入できるようにした。

 店頭スタッフはアンバサダーとして各商品の魅力を伝えるだけでなく、店頭で得た顧客の声を作り手に伝える役割を果たす。

 リニューアルに伴い「知る・試す・考える」ショールーミングスペースを設置。商品がどのように作られたか「知る」、自分に合うか「試す」、使い続けるとどうなるか「考える」という体験を通じて、”モノを買う・買わない基準”に出会うきっかけを作る展示方法やコミュニケーションを設計する。

 より長く、深いブランド体験を提供するため、約6カ月単位で出店するブランドも取り扱う。化粧品の製造販売を行う三省製薬は、同社の歴史やブランド誕生の背景を踏まえた展示を行うほか、顧客を招いたイベントも開催する予定だ。

 また、「明日見世」のコンセプトにマッチするカフェも設置。第1弾は果物の産地直送オンラインストアを展開するBonchiがカフェを手がける。

 さらに、定期的にイベントやアーティストによるインスタレーションを開催。今期は「REBORN」をテーマに、ブックコーディネーターの内沼晋太郎氏率いるNUMABOOKSが選定した本のインスタレーションを行う。

 4階から9階に移設するにあたり、従来の顧客層であったミレニアル世代や女性に加え、男性等にもターゲットのすそ野を広げていく。従来は少なかった食品のラインアップも強化する。

 「従来の百貨店は”買い物する場所”というイメージが定着していたが、これからは買い物以外にも来てもらって、様々な体験をしてほしい」(岡﨑路易DX推進部部長)という。

 なお、出品料は3カ月で約90万円となる。

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