国民生活センターは11月6日、ネット販売による食事宅配の消費者トラブルが増えているとして注意喚起した。24年度9月末時点の相談件数は約300件。このうち約2割が総菜や弁当などの定期購入や飲食店の出前で、多くはフードデリバリーによるものだった。定期購入における表示は「通常の注意をしていれば読み取れる」(国セン)とし、便利に利用するための消費者啓発と位置付ける。
「食事宅配」に関する相談件数は、24年度は9月末時点で307件となり、前年同期比19.6%増と伸長した。年間の相談件数は2020年のコロナ禍に急増し、21年以降は毎年600件超で推移していた。
契約当事者の年代別でみると、30代女性が73件と最多で、次いで50代女性が62件、20代女性が60件だった。40代男性は56件で、30代男性が51件だった。
主な相談は、フードデリバリーに関して「道がわからなかったとして配達員が来ず自動キャンセルになった。支払い済みの代金を返金してほしい」、「アプリ上の配達先のピン印の位置が違うといわれ配達されなかった。支払い済みの代金を返金してほしい」などとするものがあった。
弁当や総菜の定期購入については「初回お試し価格の冷凍弁当の宅配を申し込んだ。冷蔵庫に入らないことに気づき15分後に解約したいと申し出た。発送準備に取り掛かったため、初回解約はできないといわれた。解約したい」、「冷凍総菜の宅配を注文したが、家族に告げておらず受け取りを拒否したため、商品が返送され破棄された。利用規約に返送された場合は破棄する旨が書いてあったが確認していなかった。電話で確認してほしかった」などがあった。
国センは消費者に対し、利用規約や利用方法、問い合わせ先を事前に確認することなどを注意喚起した。食品のため、受け取れなかった場合の代金が請求される場合があることを指摘した。消費者庁や消費者委員会のほかに、日本フードデリバリーサービス協会に情報提供した。