ニトリホールディングスでは、通販事業の売上高が拡大している。今第3四半期(4月~12月)の国内通販売上高は前年同期比12.8%増の710億円を記録。ライブコマースの視聴者数やアプリ会員数の伸びなどがECの売上拡大に寄与していると見られる。
当期の通販事業に関して、売り上げベースでのEC化率については12.6%となり、前年同期比で1.1ポイント拡大。通販での買い上げ客数については、同16.7%増となるなど拡大が続いている。
通販の成長を支えるのは、ネット限定商品の販売に加え、顧客参加型のライブコマース「ニトリLIVE」がある。今期については第3四半期までの9カ月間で視聴者数が642万人を突破。ニトリLIVEで収録された動画は通販サイトにも掲載しており、来訪者への商品紹介動画として活用する取り組みも継続している。直近の動画では新生活に向けた内容を公開しており、収納品や家電、生活雑貨などの情報を発信している。
とりわけ、家電商品については、昨年11月に同社初の試みとしてドラム式洗濯乾燥機の発売を発表。必要な機能だけに絞り込むことで価格優位性を担保し、10万円を切る価格で訴求している。12月にはコードレススティッククリーナーを発売したほか、「ニトリの家電」をテーマにしたテレビCMも放送している。
また、購入機能や在庫.納期確認、コーディネート、店舗検索などを有し、ネットとリアルの売り場を連携する役割を果たしている公式アプリについても、会員数が拡大。当期は期首から240万人増の2173万人となり、計画値を上回る伸びを示している。アプリ会員については、年間での購入回数が非アプリ会員の1.5倍となり、購入金額についても同1.7倍となるなど、売り上げに大きな効果が出ている。
なお、海外の通販事業については、台湾において、ネットで購入して店舗で受け取るサービスの「BOPIS」の導入を開始し、通販と実店舗との相互送客を実施。
また、自社通販サイトと台湾各社の外部通販サイトにて「W11キャンペーン」を開催するなど売り上げ対策を進めている。