AOKIがSNSで顧客接点強化 着こなし動画は100万回再生超

 スーツ専門店のAOKIでは、近年、社員の自発的な企画やアイデアを表現する場としてSNSを活用しており、顧客との接点づくりを強化している。フォロワー数の拡大に加え、蓄積したコンテンツが実店舗・ECでの顧客への商品提案などにも寄与。SNSを起点にリアルとデジタルで相乗効果が生まれている。

 同社では、スーツ購入時は採寸・フィッティングが重要であることから顧客の購買起点は実店舗をメインとし、購買体験をサポートする接客ツールとしてSNSを活用している。とりわけ、「インスタグラム」のフォロワー数の伸長率は約1年間で274.3%となっており、店舗スタッフが着こなしを紹介する動画は100万回再生を突破。SNSによるアプローチが拡大している。

 具体的には、専門的な知識が必要なスーツをはじめとする商品において、SNS上のコンテンツが、ニーズや着こなしの悩みに応じた商品提案に役立っているという。SNSを活用することで、実店舗スタッフは顧客ごとの悩みに寄り添いながら店舗での接客に活かし、通販サイトにおいてはスタッフの着用動画やコーディネート画像を参考にできる環境を整備することで、多様な接客を実現できるとする。

 これにより、接客の質の向上とともに、店舗スタッフの役割も広がっている。同社で導入している店頭販売員が撮影したコーディネート画像をECに投稿できるツールの「スタッフスナップ」については、各地域に所属する幅広い年齢層・スタイルの約100人の店舗スタッフが、自身のコーディネートを提案する投稿を行っている。「等身大のスタッフの投稿を見ることで、共感や親近感を覚える」との反響を得ており、顧客との信頼関係の構築につながる活動になるとした。

 また、本社に所属するSNS担当者も実店舗で直接、顧客と接し、そのリアルな声を投稿内容に反映することで、共感を呼ぶ発信を行っている。主には人気のアイテムやよく受け付ける質問をもとに、商品知識が反映された具体的で役立つ情報を提供。SNSが商品宣伝としてだけでなく、接客ツールの役割を果たしているとした。

 加えて、自身のパーソナリティや視点を活かした発信を行うことで、信頼性の高いコンテンツとして受け入れられ、顧客との距離を縮めファン化を促す効果があるとした。

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