三越伊勢丹は9月4日から、食品宅配サービスでオイシックス・ラ・大地との共同開発したサラダの販売を始めた。デパ地下のスイーツブランドとコラボしたミールキットで、手間なく本格的なサラダを完成できる。サラダは購入頻度が高いアイテムで、週替わりで商品を入れ替えて提案し購入頻度向上を狙う。立ち上がりは好調で、好評を得ているという。
発売したミールキット「ISETAN SALAD KIT supported by Oisix」。1~2アイテムを週替わりで提案する。直近ではバニラ専門店が監修したかぼちゃとナッツを組み合わせたサラダや、和菓子専門店「榮太樓總本舗」とのコラボで黒みつをドレッシングに使ったサラダをラインアップした。
発売に伴い、新規顧客向けのお試しセットでの提案や、通販サイト内のバナーの訴求を実施。自社メルマガやSNSの公式アカウントでも紹介し、購買意欲を喚起した。初週は予想以上の反響を得たようで、顧客のレビューも「美味しかった」など満足度の高いコメントが多かったという。
オイシックス・ラ・大地とは2018年から協業し、オイシックス・ラ・大地が保有する食品の定期購入のノウハウやアセットを活用して運営。販促やサイトの設計などのマーケティングや、システムや物流センターの活用などフルフィルメントの領域で支援を受けていた。今回協業の領域を広げ、ミールキットのレシピ提案や製造センターの活用など共同で商品開発を手掛けていく。
食品宅配サービス「ISETAN DOOR」は、デパ地下の食品やオイシックス・ラ・大地から調達した食品を販売する。中心顧客層は50~60代で、食感度の高いグルメな会員が多いという。
サラダは購入頻度が高いアイテムで、顧客ごとの購入頻度は週2回や月1回など幅広いという。また、イベントのタイミングでサラダのニーズが高い傾向にあった。
既存客向けのアンケート調査では9割の家庭で、自分で調理するサラダに不満があることがわかった。健康への気遣いからサラダのニーズがあるものの、味のマンネリ化や食事量の減少、調理意欲の低下などの課題が顕在化していると分析する。
三越伊勢丹は老舗百貨店に対する信頼や、デパ地下グルメのブランドとのネットワークなどを強みに、オイシックス・ラ・大地のミールキット商品開発ノウハウを活用することで、新たな価値提案を目指す。「サラダから暮らしが変わる体験を提供し満足度を高めていく」(三越伊勢丹)とした。