大丸松坂屋百貨店は9月27日、運営する大丸の通販サイト「大丸WEBショッピング」上に大丸東京店の洋菓子売り場を再現して、買い物ができるようにした。実店舗の臨場感を伝えることにより、購買喚起と店頭への来店促進につなげるのが狙い。
大丸松坂屋が新たに始めたコンテンツは「バーチャルスイーツショップ」。ITベンチャーのカディンチェが提供する仮想店舗構築サービス「パノプラザ」を導入し、実際の店舗を撮影した上下左右360度のパノラマ写真をつなぎ合わせてウェブ上に再現。店頭を歩き回る感覚で商品を買い回りやすくした。
気に入った商品をクリックすると、商品画像と商品名、価格、簡単な商品説明が表示され、購入ボタンを押すと通販サイトの商品購入ページに遷移する仕組みで、ツイッターでつぶやく機能もつけた。
百貨店顧客はシニア層が主体だが、デパ地下のスイーツは幅広い層に需要があり、また東京店は比較的若い年代の利用者が多いことから、“東京スイーツ"をテーマに設定。まずは「洋菓子編」として「麻布かりんと」や「パティスリーキハチ」など有名洋菓子20ブランド、173アイテムでスタートした。
百貨店が運営する通販サイトとして、のし紙をつけた進物包装、プレゼント包装ができ、各ブランドの手さげ袋をつけるなど、百貨店店頭で行っているサービスをネット販売でも展開するのを強みに、差別化を図る。
主に、ネット販売の利用に慣れている20~40代の女性や、東京みやげを購入する会社員の利用を見込んでいるほか、地方在住者や忙しくて来店できない消費者など、これまで百貨店を利用したことがない層を取り込む。
プロモーションについてはサイト内訴求に加え、ウェブ検索連動広告やメルマガ、SNSを中心に展開する方針で、サイトと連動するツイッターからの情報拡散にも期待している。
今後の歳暮シーズンに向けては、「洋菓子編」の成果を踏まえた上で、取り扱い店舗を増やしたり、和菓子や限定商品など取り扱い商材の幅も広げたい意向だ。