悠香の「茶のしずく石けん」(旧製品)の自主回収を巡り、アレルギーが発症した患者が471人に上っていることが分かった。11月14日、厚生労働省の「薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会」で行われた医薬品等の副作用報告で明らかになった。厚労省では今後、発症の原因と疑われる「加水分解コムギ末」について規制を検討していく。
部会で報告されたのは、10月17日までに悠香から医薬品医療機器総合機構(PMDA)に報告された件数。今年5月の回収時に発表された67症例を含め、症例数は471例に上った。うちアナフィラキシーの発症を含む重篤例(救急受診や入院が必要なもの)は66例。ただ、日本アレルギー学会には1000件超もの症例が報告されているという。今後、症例数が増える可能性もある。
アレルギーの原因と疑われる「加水分解コムギ末」は、分子量の大きさの違いなどが発症に影響していたとされる。現在、厚労省はさまざまな分子量のコムギ末について国立医薬品食品衛生研究所に動物試験を依頼しており、「結果いかんでは特定の物質について規制を検討していく」(安全対策課)としている。
部会では、委員から「(厚労省が)もっと積極的な広報活動を行って記事として取り上げてもらい、消費者への周知を図ったほうがよいのでは」「医療機関への周知をもっと行うべき」といった意見が挙がった。
これまで厚労省では、日本アレルギー学会、日本皮膚科学会、日本眼科学会に加え、各県の自治体に周知を図ってきた。日本医師会にも情報提供しているが「積極的とはいえない」(同)としており、今後、より幅広い医療機関への周知徹底を検討していく。
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