アスクルはヤフーが10月にも立ち上げる一定規模のネット販売実施企業のみに出店を制限した仮想モール「PayPayモール」に運営する日用品通販サイト「ロハコ」を出店させることを明らかにした。9月12日開催の決算説明会で吉岡社長が言及したもの。売上拡大や新規顧客獲得のほか、注力しているプライベートブランド(PB)商品やメーカーと共同開発するロハコ独占販売商品の拡販などが狙いとしている。なお、「ロハコ」の本サイトで取り扱う全商品をPayPayモールの出店店舗でも販売するか否かは「収益前提で考えているため、全品かどうかは詰めているところ」(吉岡社長)とし、一定の粗利が確保できる商品群を選別して販売する可能性も示唆した。
アスクルは筆頭株主であるヤフーと「ロハコ」の運営権や業績低迷に伴う経営責任などを巡って、アスクル側が資本提携の解消を求めたり、ヤフー側が創業者の岩田氏の社長辞任を迫り、実際に8月の株主総会で岩田氏が社長を退任するなど対立しており、今後の両社の連携についても行方が注視されていた。ただ、その後、吉岡社長を含む新経営陣がヤフーの経営陣と「(アスクルの)すべてのステークホルダーにとって企業の価値を高めるにはどうすべきかを何度も議論し、ヤフーからはアスクルの再成長と企業価値向上のために最大限の努力をするといわれている」(吉岡社長)とした上で「アスクルの企業価値を高める、業績を上げるということでヤフーと意見が一致している限り、ヤフーからの協力に対して拒む理由はない。積極的に協力していく」(同)としており、PayPayモールへの出店についても決めたようだ。
なお、「PayPayモール」にはヤフーがTOBで子会社する意向を表明したZOZOの通販サイト「ゾゾタウン」も出店することを明らかにしている。