ロコンド、対ゾゾ同盟を今夏スタートへ ―― 競合モール間で在庫共有化しMD補完

対ゾゾ同盟の結成を目指す「ロコンド」の通販サイト

靴とファッションのネット販売を手がけるロコンドは、“対ゾゾタウン同盟”を2018年夏にもスタートさせるべく、競合ファッションECモールと在庫共有化をベースにした業務提携を進める方針だ。
ファッションEC市場ではスタートトゥデイの商品取扱高が2120 億円(2017 年3月期)と圧倒的で、2位グループの丸井やマガシーク、クルーズは200億円前後と大きく引き離されており、「第2位の企業がある程度のスケールを持つことは市場の健全化に必要なこと」(田中裕輔社長)とし、自力での事業規模拡大に加えてゾゾに対抗できるファッションEC同盟作りに向けて動き始めた。
参画企業を狭めないよう、まずは業務提携の締結を目指すが、その際、取引先ブランドは在庫の分散を嫌うため“在庫共有化”をキーワードに、ターゲット層が近いモールとの同盟を推進。モール間で在庫共有することで互いの品ぞろえを補完するとともに、購入者への商品発送は在庫を持つモールが行って横持ちの時間を省き、在庫連携であってもすぐに出荷できる体制を構築するという。また、商品撮影などの“ささげ業務”も各モールが行う現状の非効率を解消したい考え。

ロコンドでは競合モールと比べて弱いアパレルカテゴリーの強化が図れるメリットもあり、「数年後にはゾゾさんが販売しているブランドの7~8割をカバーできるイメージ」(田中社長)とし、同社では自力の成長と同盟の成果で当面は前期(18年2月期)見込みの取扱高100億円に対して300億円超を目指す。
同盟を広げていくためには、「自分が前面に出なくてもいい。ファッションEC 業界の坂本龍馬になれれば」(田中社長)としている。
近年、ファッションEC市場では大型モールの開設はなかったが、17 年11月に三井不動産は運営する「ららぽーと」などの商業施設と連携したファッションECモール「アンドモール」を、18年2月にはストライプインターナショナルが百貨店ブランドを中心に取り扱う「ストライプデパートメント」を始動したほか、18年春をメドに三越伊勢丹が新ECモールを新設する計画を進めるなど、ここにきて衣料品ECモールへの参入が相次いでいる。

ただ、こうした新モールについてもゾゾを追走できるポテンシャルを秘めているのかは不透明で、2位グループ以下の顧客を食い合う可能性すらある。そうした環境下、ロコンドでは在庫共有をベースにした同盟の輪を広げることで、独走状態にあるゾゾを追走したい考えだ。

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自力成長に向け販促強化

同時に、ロコンドは自力での事業拡大にも力を注ぐ。得意の靴をキラーカテゴリーに、21日間返品無料サービスを通じた“自宅で試着できる通販”のコンセプトや、30代後半~50代前半という主要顧客層、アフォーダブル・ラグジュアリー(手が届く高級品)を競合との差別化ポイントに掲げ、主力のEC 事業で高成長を目指す。
同社は17年2月期に初の黒字化を達成し、18年2月期についても黒字化のメドがついたことから、今期はプロモーションを強化して新客開拓を強力に推進する。一環として、3月10日からタレントのデヴィ夫人を起用したテレビCMを放映。19年1月まで全11パターンのCM を年間万GRP(延べ視聴率)の規模で投下するのに加え、オンライン広告についても18年3月は前年同月比で約4倍の費用を使う。
顧客接点拡充の観点では実店舗も活用する。17年4月に事業継承したスペインのブランド「マンゴ」の原宿店を3月9日に「ロコンド トーキョー」として大幅刷新。通販サイト「ロコンド」のセレクトショップという位置づけで展開する。
また、集客力強化に合わせてオペレーションの増強にも着手。倉庫は入庫レーンをこの1カ月で従来の3~4倍に拡張し、1日当たり5万ピースを処理できるようにしたほか、スタジオの撮影レーンも増強した。倉庫の保管能力は、17 年4月と8月に倉庫を移転・増床し、約3万3000m2の面積を持つが、第2倉庫の計画も進める。

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