ファーストリテイリングでは「グレーターチャイナ事業(中国大陸、香港、台湾)」でECの成長が続いており、特に中国ではO2Oを軸に利用者数の拡大が見られている。
今中間期(2018年9月~19年2月)に2桁増収となった同事業の内、ECだけで見ると売上高は前年同期比で3割の増収、構成比は約20%となっている。ECは自社通販サイトのほか「アリババ」で展開しており、実店舗よりも利益率が高いとされるECの伸びについては、日本国内の「有明プロジェクト」と同様にO2Oビジネスモデルの推進が背景にある。
現在、中国でも購買力が高いとされる1級都市(北京、上海、広州、深圳)での店舗数は約200店舗となっているが、国土が広い中国大陸ではこれらの実店舗にもEC倉庫としての役割を持たせている。顧客からのEC注文はすべて本部で集約。実店舗の在庫も注文に引き当てながら、顧客に早期発送できる場所の実店舗から商品を直接届ける仕組みを設けているという。「O2Oのオーダーに対して店舗在庫を引き当てる仕組みは9割以上の店舗で行っている。実施していない店舗は百貨店に出店している店舗」(=写真、潘寧グレーターチャイナCEO)とし、中国のほぼ全域で対応していることを明らかにした。
また、実店舗も含めたマーケティングについてはSNSを活用。「ウェイボー」「ウィーチャット」を使って新商品やイベント情報を発信しているほか、ファッション業界のKLOとも連携して、情報発信のマーケティング効果を高めている。
なお、21年にはグレーターチャイナ事業に占めるECの売上高構成比を3割超で計画している。