PBI ストリート特化のEC、ポップアップ活用で出足好調

メンズアパレルのネット販売を手がけるピー・ビー・アイ(PBI)は10月10日、ストリートファッションに特化した自社通販サイト「DIPSO(ディプソ)」を立ち上げた。オリジナルブランドに加え、海外のブランドも多く取りそろえる。サイト開設直前に都内で2日間ポップアップストアを展開して認知を広げたこともあり、順調な立ち上がりとなったようだ。

「ディプソ」は立ち上がり時点でおよそ30ブランドをラインアップ。ストリートカルチャーに焦点を当てて商品を集め、以前から展開していた自社オリジナルブランド「RAZZ(ラズ)」のほか、米国で直接仕入れたブランドを多く取りそろえる。

「ディプソ」の責任者でモデルを務めるARATA(アラタ)氏は「今後も日本で売っていないブランドをどんどん増やしていく」と構想を語る。

「ディプソ」ではコーディネートでも工夫をこらす。男性モデルだけでなく、女性のモデルもメンズアイテムを着用する。女性でも少し大きめのオーバーサイズの着こなしを提案することで、男性だけでなく女性客の獲得も行っている。結果的に女性客は全体の3~4割程度を占めているようだ。

集客面ではウェブ広告は使わず、インスタグラムなどSNSで発信。このほかに顧客の接点としてポップアップストアを仕掛けていく。すでに10月5~6日の2日間、東京・青山で期間限定店舗を開き、通販サイト開始前のタイミングに商品に触れる場を設けた。

「ディプソ」で扱う商品は米国で買い付けてきたものも多く、国内ブランドとはサイズ感が異なる。そうした点から実物を試せる場として「ポップアップストアは需要がある」(アラタ氏)という。今後は2、3日の限定店舗を全国で展開する計画だ。

初動について、「手ごたえはすごくいい」とアラタ氏。サイト開設直前のポップアップストアの売り上げも含め、「ディプソ」オープンから1カ月の売り上げは約1000万円にのぼった。ポップアップストアにインフルエンサーを招き、情報を拡散する戦略が奏功したようだ。

PBIでは2013年からメンズファッション誌「BITTER(ビター)」の公式通販サイトとして「ビターストア」を運営している。「ディプソ」の客層には「ビター」のファンも多く、ヒップホップを好む20代前半から中盤の世代がコア層になる。「ビターストア」からの流入も多いようだ。

雑誌「ビター」は昨年10月25日発刊の12月号で休刊していたが、ちょうど1年後の今年の同日に復刊を行った。PBIが企画や編集、営業などを手がけた。復刊した「ビター」は価格が680円。図書流通には乗せず「ビターストア」内で直販している。

復刊に際してテイストを変え、ストリートファッションを多く取り入れた。また誌面には「ディプソ」の広告を掲載して告知も図った。「ビター」は今後も定期的に発刊していく計画。今後は幅広い層へのリーチを狙って、図書流通を使うことも検討している。

休刊中も通販サイトの「ビターストア」は運営していたが、「ビター」の復刊によりサイトのアクセスにも好影響を及ぼしている。再び「ビター」の読者を増やし、「ビターストア」や「ディプソ」とのシナジー創出を目指す構えだ。

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