GMOペパボ、「minne」事業拡大へ ――スマホアプリの開発を一層強化

事業戦略発表会で今後の取り組みを披露するGMOペパボの佐藤健太郎社長

GMOペパボはハンドメイドのCtoC仮想モール「minne」(ミンネ)事業でスマホアプリ開発を一層強化していく方針を打ち出した。今年2月にテレビCMの放映を行ったことで「minne」の認知が広まり、スマホアプリのダウンロード件数が急速に増加。今後は500万件達成を早期に目指すとし、アプリによる取引拡大を図る。アプリでも簡単に使えて、欲しい作品が見つけやすく、信頼もでき、そして作品数が多いと認識されるようブラッシュアップしていくという。

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アプリダウンロード、500万件へ

10月21日に都内で開催した事業戦略発表会の冒頭、GMOペパボの佐藤健太郎社長は「2月にテレビCMを放映したことでアプリのダウンロード件数が大幅に増加した。これに伴い2015年3~9月(7カ月間)の流通額は12億円に達し、大きく成長するようになっている」と「minne」事業が拡大基調にある状況を説明。そこで新たな取り組みで一層の事業拡大を図っていく方針を示した。

12年にスタートした「minne」は、ハンドメイド作品の作り手と、その作品の購入希望者をマッチングする事業。現在はハンドメイドの作り手として15万3000人が登録し、約177万点のハンドメイド作品を有するモールになっている。

CtoCの仮想モールはPCサイトの開設とスマホアプリ用意して展開している。アプリを通じた取引件数はPCサイトを上回るようになり、現在は全体の6割を占めるようになっている。アプリのダウロード件数は300万件で、今年2月のテレビCM放映前の30万件から10倍の規模に増えた。今後、この件数を500万件まで拡大していく意向があり、アプリダウンロードの増加を後押しするためにも、より使いやすいアプリ開発を進めて取引件数の拡大を図っていくという。

スマホアプリは売買が行いやすいように一層の開発を進める

アプリでの作品登録簡単に

今後のアプリ開発では出品者や購入者が売買しやすくするために新たな開発と修正を行っていくという「minne」事業の発案者、阿部雅幸氏は「minne」の今後について①魅力的な作品が集まる場所に②ウェブ上で作家さんのファンを生むような場所に③ウェブ操作に慣れていない人でも簡単に使える場所に─という3つのビジョンを挙げた。

これらを実現していくためにハンドメイド作品の出品作業を30秒以内で行えるようにする目標を設定した。ハードルはまだ高いとしながらも、写真撮影、タイトル、紹介文、価格設定といった一連の流れをクウォリティーの高い作品の見せ方を行えるようにしつつ、かつ単に登録できるようにしていく。マニュアルページに頼らずに登録の流れに従って自然と出来上がるようにすることにより、多くの作品が集まるようにする。

購入者に対しては自分の好みのハンドメイド作品を見つけやすい環境づくりに努め、好みの作品が次々見つかるようにする。これまでは作品を探すときにカテゴリー・キーワド検索をすることなどが必要だったが、アプリを開いただけで次から次へと自分の好きな作品が出てくるような仕組みを用意する。よりパーソナルな情報を基に作品と好みをマッチングする機能を提供する計画という。

出品者は自分の作品が売りやすくなり、出品して直ぐに売れるような状況につなげられると見ている。またアプリ以外の機能、評価制度などを含めてよりスムーズに売買できる体制構築にも取り組んでいく考えだ。

アプリでの取り引きの活発化策のひとつとして、年内にヤマト運輸とのシステム連携も予定。同社が今年4月から提供し始めた新たなサービスである小型荷物用「宅急便コンパクト」とポスト投函型「ネコポス」での配送をアプリ上で簡単に手続きできるようにする。売り手側の梱包・発送作業を軽減できるようになり、より売りやすく、そして簡単に梱包・発送できるようにしていくとしている。

服飾以外のカテゴリー増やす

アプリ開発強化に加え、主力のアクセサリーやファッション以外のカテゴリーの強化も行っていく。新たに食品などの出品を可能とするなどオールジャンルのハンドメイドマーケットを目指す。食べ物や石けんといった現状で取り扱いを禁止している商品ジャンルを解禁、さらに生活雑貨や文房具、ペットグッズなどの出品を増やすようにするという。現在はアクセサリーとファッションで61%を占め、それ以外が39%という構成。服飾系の偏りを是正していくいことで、ビジネスチャンスを拡大する方針も打ち出した。

他社とコラボし認知広める

また、神戸市やPARCO、日本ホビー協会とのコラボレーションも進め、事業の認知アップ、流通額アップを図っていく。神戸市とはハンドメイド作家という新たな働き方の提案で協力。同市はユネスコ創造都市ネットワークのデザイン都市の認定を受け「デザインクリエイティブセンター神戸(KIITO)」を開館しているが、同センター内のクリエイティブラボに関西初の作家支援スペース「minneのアトリエ」を来年4月に開設する。関西で活躍する作家が集う場所を提供することにより、ハンドメイドを通じた人と人のつながりが生まれる地域づくりを進める。さらに作家同士の交流会や勉強会を開催してハンドメイド作家という新しい働き方を支援していく考え。

PARCOとは来年1月から、札幌市、仙台市、東京・渋谷区、広島市、福岡市の全国5カ所の店舗でマーケットイベント「ミンネとパルコのミエルツアー」を開催して、「minne」人気作家の直接対面販売を実施する。また日本ホビー協会主催の「第40回日本ホビーショー」(来年4月開催)には、「minneのハンドメイドマーケット」を企画しているほか、「minne」主催の販売イベントも行い2000人以上のハンドメイド作品を販売する。

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