身のまわりの持ち物の相場価格教える新機能を実装 ――ヤフーの「PayPayフリマ」、まずはミニアプリで

「身のまわりの持ち物の相場価格、教えます」─。ヤフーは12月16日から、運営するフリマアプリ「PayPayフリマ」で過去に同社の仮想モールやグループの通販サイトなどで購入した商品など身のまわりの持ち物の相場価格を表示する新機能を実装した。相場価格を提示した持ち物は簡単に「PayPayフリマ」に出品できる流れ。同機能はグループのPayPayが運営する決済サービスアプリ「PayPay」のトップ画面で展開するミニアプリでまず導入し、その後、「PayPayフリマ」に本格導入していく考え。

  不用品を販売するきっかけを作り、「PayPayフリマ」を使った出品を促すほか、不用品で得た収入をもとにネット販売での商品購入を促進させ、グループ内のEC売り上げの拡大や底上げなどにつなげたい狙いがあるようだ。


ユーザーは過去に「ヤフーショッピング」 「PayPay モール」「ZOZOTOWN」で購入した 商品や「持ち物チェッカー」で調べた商品の 合計額が「あなたの持ち物資産」として表示 される(画像は「PaPay」アプリのミニアプリ内の「PayPay フリマ」のトップ)
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持ち物の総資産を表示

 利用者の身のまわりの持ち物を売却した場合の相場価格を表示する機能は当該ユーザーがヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」および「PayPayモール」、グループのゾゾが運営するファッション通販サイト「ZOZOTOWN」で購入した商品のうち、購入日から61日が経過した商品(ヤフーショッピングとPayPayモールでの購入商品の場合、クレジットカードおよびキャリア決済での支払い分は61日が経過しているもの。代引やコンビニ決済など他の決済の場合は注文完了から7日間が経過したもの)が対象となる。なお、「ZOZOTOWN」の購入商品の場合は、ゾゾの会員ID「ZOZOID」とヤフーのID「ヤフージャパンID」両方を連携済みのユーザーのみとなる。加えて、「PayPayフリマ」が10月から実装した、ユーザーが手持ちの商品を撮影すると出品した場合の相場価格を表示する機能「持ち物チェッカー」で撮影した商品も対象となる。

 対象商品の相場価格合計は「PayPay」上の「PayPayフリマ」ミニアプリトップに「あなたの持ち物資産」として表示。なお、表示されている金額はヤフーが運営するネット競売サイト「ヤフオク!」および「PayPayフリマ」内で行われた過去の取引から算出された当該商品の推定価格となる。「あなたの持ち物資産」の下の「持ち物リスト一覧へ」をタップすると「持ち物リスト」に遷移。対象商品が複数ある場合には商品ごとに相場価格が表示され、「出品ボタン」をタップすると「PayPay フリマ」アプリ内出品フォーム へ遷移、簡単に出品できるもの。出 品価格は提示された相場価格がデフ ォルトで記載されているが、出品価 格は変更できる。

新機能はまず決済サービスアプリ「PayPay」のトップ画面上の「Pay Pay フリマ」のミニアプリに実装。 ミニアプリとは「PayPay」のアプ リトップ画面の各アイコンをタップ することでグループ会社や提携会社 が提供するネット販売のほか、タク シー配車や飲食店の宅配サービスな どのサービス予約、支払いなどが利 用できるもので、このミニアプリの 1つである「PayPay フリマ」に導 入したもの。今後は「PayPay フリマ」アプリにも実装していく。

「あなたの持ち物資産」から「持ち物リスト」に遷移し、そのまま出品手続きができる

新品と中古品を循環させる

 ヤフーではネット販売において一次流通(新品)と二次流通(中古品)を循環させ、同社グループのEC全体の流通総額を拡大する狙いなどから、2020年3月から「PayPayモール」「ヤフーショッピング」での購入商品について、モールの商品の購入履歴を活用して出品フォームに商品情報など必要事項を自動反映、入力の手間を軽減して「PayPayフリマ」で簡単に出品できるようにする試みを開始している。

 また、同7月からは「ZOZOTOWN」で商品を購入後、61日間を経ると当該商品を「PayPayフリマ」内の「持
ち物リスト」に一覧表示。それぞれの商品の横に表示している「出品する」というボタンをユーザーが押すことで出品フォームに遷移。「ZOZOTOWN」のデータと連携させ、出品に必要な商品カテゴリの設定や「商品タイトル」や「商品説明」などの項目が出品フォームに自動反映、ユーザーが自ら入力しなければいけない項目を最小4つ程度まで減らし、簡単に出品できる機能をスタートさせており、8月からは同機能を「PayPayモール」「ヤフーショッピング」での購入商品についても対応させている。

 加えて、前述の通り、同10月には所有するテレビゲーム、電子機器、家電、コスメなどの商品を撮影することで、当該商品の推定価格を表示、持ち物リスト」に推定価格と商品タイトルがついた商品画像リストが保存される機能「持ち物チェッカー」のリリースしている。

 今回の新機能も含め、不用品を売却するきっかけ作りや、手間なく簡単に出品できる仕組みを整えることで一次流通と二次流通の循環を促し、また、「PayPayフリマ」に出品した不用品の売却益はほとんどの場合、「PayPay」で支払われることになるため、PayPayの流通額を増やすことによるグループ内のEC事業を含めた各事業の流通総額の拡大を図る狙いもあるようだ。

10 月に「PayPay フリマ」の新機能としてリリースした撮影した商品の想定販売 価格を教える「持ち物チェッカー」(ヤフーのウェブサイトより)
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