楽天グループは7月14日、仮想モール「楽天市場」のサービス改善を図るための組織「楽天市場サービス向上委員会」の第4回を開催した。
同委員会は昨年3月に運営を開始、年数回の委員会と個別の議題について協議する定期的な分科会によって構成されている。第4回目には、「楽天市場」出店店舗による任意団体「楽天市場出店者 友の会」メンバーと、同社副社長執行役員コマースカンパニープレジデントの武田和徳氏らが出席。「地域・コミュニティ」「サステナブル・SDGs」「システム」「物流」の各分科会からの、楽天市場の改善案に対する楽天からの進捗報告と、意見交換が行われた。
「地域・コミュニティ分科会」からの「地域ごとに店舗が集まれる地域コミュニティの創出や地域でのオフラインイベントの開催を検討してほしい」という提案に対しては、「楽天タウンミーティング」において、さらなる店舗間交流を図るコンテンツの提供に向け準備を進めている。また、「地域の学生向けにEコマースに関する出張授業を開催するなど、地域の将来を支える次世代への教育を支援してほしい」という声には、地域創生事業内に次世代教育を専門とする組織を立ち上げており、兵庫県、神奈川県、新潟県長岡市で地元学生向けに、ECに関する実践的な授業を今年4月から提供している。
「サステナブル・SDGs分科会」からの「店舗のSDGs取り組み促進を目指した『楽天大学』講座の拡充や、ECコンサルタントのサポート体制の強化を検討してほしい」という意見には、出店店舗向けのSDGsに関する問い合わせ窓口の開設を準備しているほか、「楽天大学」においてSDGsに関する既存講座の改定と新規講座の公開準備中という。
「システム分科会」からの「商品購入時に配送予定日を表示してほしい」「商品検索時に、アイテムごとにサイズやカラーなどを分かりやすく表示してほしい」「システムに関する店舗の理解促進のため、店舗同士でシステムに関して情報交換できる場を提供し、楽天の社員にも参加してほしい」などの提案には、アイテムごとにサイズやカラーなどを分かりやすくするような表示方法、商品登録方法などの刷新に向け、システムの導入を進めるほか、最短の配送日時を表示し、配送日の精緻(せいち)化図るシステムの導入を準備中という。
「物流分科会」の「店舗が物流サービスについて理解を深められる機会を提供してほしい」「店舗と楽天が課題について一緒に考える仕組みを検討してほしい」などの声に対しては、出店店舗向けの「楽天スーパーロジスティクス」見学会と勉強会、店舗間の配送に関する事例共有会の定期開催を進めているほか、配送に注力する店舗の表彰制度を導入するとした。