アスクル 100%再生原料のPB文具4商品を展開

 アスクルは12月14日から、事業所のオフィスから排出された使用済みのクリアホルダーを回収して作った再生原料を100%使って製品化したプライベートブランド(PB)商品シリーズ「Matakul(マタクル)」(写真)の販売を開始した。まずクリアホルダーとボールペン、ペン立て、小物入れの4商品を展開した。今後も展開商品を拡充して自社での販売を強化していくことに加えて、再生プラスチックを使った商品を作りたい事業者に対して、回収クリアホルダー由来の原材料を販売していくことも視野にあるようで同社が社会・環境に配慮・貢献する取り組みの一環として行う使用済み製品の回収および再資源化という資源循環活動をより進めていきたい考え。

 発売したPB商品シリーズ「Matakul」は同社が中心となり、回収運搬業者や再生原料の製造事業者などのパートナー企業とともに行っている参加事業所のオフィスから排出される使用済みのクリアホルダーを回収、再資源化する取り組みで、昨年1月から今年10月までに約680社から約79トンを回収したクリアホルダーを分別して処理し、再生ペレットという資源とした原材料を使って協力メーカー3社とともに商品化したもの。

 回収した透明クリアホルダーを再生した原材料を100%使っており、バージン原料で製造したクリアホルダーと比較すると多少の凸凹や黒点があるリヒトラブが製造する「クリアホルダーから作ったクリアホルダー」(A4サイズで厚さ0・2ミリ、1袋10枚入りで税込199円)や軸に透明クリアホルダーを再生した原材料を100%使い、芯の詰め替えも可能で長く使用することができる三菱鉛筆が製造する「クリアホルダーからつくったジェットストリームボールペン」(黒色太さ0・5ミリ、1本税込168円、1箱10本入りで同1580円)、色付きクリアホルダーや名入りクリアホルダーを再生した原材料を100%使ったライクイットが製造する「クリアホルダーからつくったブリックスペン立て」(税込418円)と「クリアホルダーからつくったブリックス小物入れ」(同618円)の4商品を第一弾商品として開発。メーカーにとっては使用実績のない100%再生ペレットを使った商品製造であるため、リスクや手間などもあり、バージン原料を使った同等品よりも価格設定は高いものの、どの商品の数十円程度の上昇にとどめている。

 12月14日から、同社が運営する事業者向けオフィス用品通販サイト「ASKUL」で販売を開始した。製造数量などを限定していることから通販カタログへの掲載などは当初は行わない予定で個人向けの日用品通販サイト「ロハコ」での販売もしないという。

 今後、売れ行きなどを見ながら各商品の製造量を増やしたり、新商品の開発などを進めていく考え。また、使用済みクリアホルダーから製造した再生ペレットの販売も視野に入れているという。環境に配慮した再生プラスチック原料を使った製品を作りたい事業者に対し、単一素材を使用してリサイクルしやすい商品としたり、使用済み商品を回収する取り組みを行うといった一定の条件をクリアした事業者へ販売するという。自社によるPB商品の製造販売に加えて、他社へ再生ペレットを販売することで持続的に活動を行っていきたい考えがあるようだ。

 同社では「プラスチックごみの問題が深刻化していく中でたくさんの製品を販売している我々には責任がある」として今後も使用済み商品の回収および再資源化・再製品化という取り組みを推進していくとし、現状はプラスチック製品の中でも単一素材であり、形状も一定でリサイクルに適している点からクリアホルダーのみを回収・再資源化の対象にしているが、今後はファイルなどについても回収・再資源化の検討を進めていきたいとしている。

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