全日空商事 マイル利用促す特別企画

 全日空商事では、ANAグループ全体でマイルの利用を促す取り組みを強化している。コロナの感染状況の変化に左右されやすい航空利用者がメインの顧客層となることから、改めてマイルを償還しやすい環境を提供することで、各サービスでの循環を促す。商品企画では引き続きANAオリジナルが鍵になるようで、定番品からコラボまで幅広く展開していく。

 通販サイトの「ANAショッピング A‐style」や「ANAセレクション」では、11月1日~来年1月9日までマイル20%還元キャンペーンを行っている。同企画では参加登録をして、注文時にマイルを利用することで利用分の20%がボーナスマイルとして還元されるもの。同社においても通販サイトトップページでキャンペーン内容を告知している。

 コロナ禍に伴う旅行需要の縮小で、近年はマイルの利用機会が限られていたことから、同企画を通じて再びマイル利用を促し、LTVを高めていく狙いもある。立ち上がりの状況としては「徐々に来ている。これが始まったことで10月に比べると11月は若干上振れているという肌感覚がある」(同社)としている。

 同様にグループ全体の施策としては、ESG(※持続可能な世界の実現のため、企業の長期的成長に重要な環境・社会・カバナンスの3つの観点を指す)の取り組みもあり、同社では航空機から取り下ろしたパーツの販売を行っている。エンジン部品の一部を再利用した商品販売など年間を通じて継続的に取り組んだ。同社では従来から航空機部品の再生グッズを取り扱っていたが、航空機マニアに向けた内容のイメージが強かった。今回の商品については環境観点での企画となる。

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カレンダーやワインが堅調

 また、下半期の動向としては、コロナの感染状況の変化による、外出機会の高まりを受けて伸び悩んだ上半期と比べ、復調の傾向が見られている。出荷ベースでは前年同期の90%近くまで回復している。中でも主力商品のカレンダーやボジョレー・ヌーボーで目標値を上回る伸長。12月に迎えた創業70周年の関連商品である記念ロゴ入りのワインについては予定本数を完売した。

 12月13日には周年記念商品の目玉の一つとして、ANAグループで働く社員をイメージした「ANAオリジナルリカちゃん」も発売した。今回は、ANAの9代目と10代目のCA制服とパイロットの制服3着セット(税込価格1万7600円)のほか、1代目から10代目のCAの制服と整備士・パイロットの制服12着をセット(画像=同3万8500円)にした内容の商品も展開。整備士とパイロットの制服は初めての試みとなる。

 商品の製作に際してはANAグループ社員とも意見交換を行い、細部にまでこだわった内容で再現。リカちゃん自体も人気キャラクターとして根強いファンがいることから、安定した売り上げを見込んでいる。

 加えて、上半期において、旅行需要の回復に伴いオリジナルのキャリーバッグなどでヒット商品が出たことから、今後も継続して同ジャンルの深掘りを図っていく考え。
 そのほか、年内の大きなキャンペーン企画としては「ブラックフライデ―」があり、11月24日~12月4日まで実施した。100点ほどの対象商品について、割り引きや限定などで訴求し、集客のきっかけとした。年末には福袋企画も予定している。

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 なお、今後の懸念事項の一つとしては、円安や燃料費・原材料費の高騰などがある。価格の上昇にもつながる問題で、場合によっては販売価格の見直しも検討。今後はバッグ類などで影響が出てくると見ている。

 また、これに加えてメーカー商品の生産拠点となっている中国・上海でのロックダウンも尾を引いていた。とりわけ、今上半期で見ると世界的なブランドの家電や鞄など一部商品では納期が遅延しているものもあり、販売を休止するなどして対応していた。

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