ジュンの「ワシュ」 リアルの場で顧客開拓強化

 アパレルや飲食事業などを手がけるジュンは、日本ワインの楽しさを提案する通販サイト「wa―syu(ワシュ)オフィシャルオンラインショップ」の新客開拓に向けて、リアルの場でのタッチポイントを増やしている。昨年秋からは気軽に日本ワインが楽しめる”角打ち”イベントを開催しているほか、足もとではアートの個展に協賛して「ワシュ」の認知拡大を図っている。

 2020年12月にスタートした「ワシュ」は、山梨県甲州市勝沼町でワイナリーを運営するジュンが独自の切り口でナビゲートする日本ワインに特化した通販サイトだ。

 日本ワインのビギナーから上級者まで幅広く楽しめる品ぞろえが強みで、現在、48のワイナリーと取り引きがあり、オリジナルのコラボワイン、限定醸造の日本ワインを増やしている。

 海外産のワインに比べて日本ワインの情報量は少ないことから、通販サイト上では商品詳細ページを充実させて生産者の思いなどを発信。ワイナリーへの取材からコンテンツ作りまで、「ワシュ」のスタッフが行っている。

 また、ワインのラベルにもこだわりを持つワイナリーが多いことから、産地やワイナリー、価格などに加え、ラベルからもワインを検索できるようにしている。

 この2年間で日本ワインを扱う酒販店やワイナリーの間で「ワシュ」の知名度が高まっているようで、引き続き希少ワインを含めて日本ワインの品ぞろえを増やしていく。

 一方の消費者への認知拡大に向けては、ウェブ広告の活用やSNSでの情報発信に加え、リアルのイベントでも新規ユーザーの獲得に成功している。

 東京・恵比寿のビストロ・カフェ「サントロペ」で、日本ワインと季節の小皿料理を立ち飲み感覚で気軽に楽しめる「角打ち日本ワイン」というイベントを昨年秋から月に1~2回のペースで開催し、回を重ねるごとに参加者が増えてきているという。

 飲食店で開催するため、日本ワインに合うペアリングのメニューも楽しめるのが受けているようで、その場で日本ワインを購入できるようにしている。

 新たな取り組みとしては、2月10日~16日に東京・九段のkudan house(九段ハウス)で開催中の、美術作家である若佐慎一氏の個展「魚行水濁鳥飛毛落(うおゆけばみずにごりとりとべばけおつ)」に、山梨のワイナリー「ドメーヌヒデ」と協賛している。

 同展のメインビジュアルでもある「超キラメキ招キ猫様」の原画をモチーフにしたラベルデザインの日本ワイン3銘柄(桜の畑MBA2020、にごりMBA2020、神の畑ピノノワール2021)を2月7日に「ワシュ」で販売開始(画像)。サイトでは特集ページも用意した。

 「ワシュ」では昨年、「ドメーヌヒデ」とコラボして京都の老舗窯元と開発した、日本初の”ワインを熟成させるための壺”で仕立てた甲州ブドウのオレンジワインが非常に好評だったことから、今年も新たなビンテージのワインを展開する予定で、そのラベルデザインを若佐氏に依頼したことが今回の個展の協賛と3銘柄の販売につながったようだ。

 ジュンでは”文化”をキーワードに事業展開をしていることもあり、「ワシュ」では今後、漫画家や書家などとのコラボも提案していきたい考え。

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