イーベイジャパンの「Qoo 10」 出店者向けノウハウ提供

 仮想モールの「Qoo10」を運営するイーベイジャパンは5月より、同モールでの売り方について動画や記事コンテンツ、ウェブセミナーなどで学ぶことができる無料サイト「Qoo10大学」をオンラインで開校した。

 同社によると、これまでは同モールで売るための情報がネット上などでは他モールに比べて限られており、露出される場面が少なかったという。そのため、今回、無料で一般開放するノウハウ提供サイトとして運営。既存の出店者をはじめ、ECビジネスを検討している層も含めて幅広く公開していく。

 サイト内では動画や記事コンテンツを掲載しており、それぞれテーマごとに切り分けた内容で解説。週に1本のペースでコンテンツを追加していき、同社社員なども登場する。主には同モールでの出店の初期設定から、独自のルール、売るためのコツ、最大のセールでもある「メガ割」での対策などを公開している。

 また、定期的に開催しているライブ配信のセミナーについても同サイトから申し込むことができ、無料の出店登録が必要となるものの、一部は未出店者にも公開するという。生配信中に視聴者が匿名で参加できるQ&Aのコーナーも設けている。

 基本的には初心者から実績のある出店者まで、その経験値や目的に合わせて、販売のコツやモール内の各ツール・機能の使い方を習得できる内容としているが、加えて同サイトの視聴を機に、新規出店にまで誘導することも見込んでいる。

 5月31日に記者向け発表会で登壇した新井秀樹本部長(画像)は、他モールと違う特徴として、配送遅延した出店者にはペナルティがあることや、また、若年層の顧客が多いためレビューが付きやすいポイントなどがあると説明。そうした独自のルールや特徴を学ぶことで、運営施策を整理することができ、大きな成長につながるとした。

 また、同サイトの開設に伴い、これまで出店者をサポートしている営業担当の業務が効率化することも見込まれるが、これについては今まで通りの体制を維持する。

 各出店者が基本的な運営ノウハウなどを同サイトを通じて各自で学べることから、営業担当がより多くの出店者に対応できるメリットがでてくるほか、「より上の部分の話やその出店者特有のカスタマイズされたコンサルティング(の提案など)ができるようになる」(新井本部長)とした。

 なお、今回の取り組みと関連して、韓国と中国の出店者に向けたサポート体制の強化も並行して行う。

 韓国政府の関連機関などの要望に応えて、ウェブセミナーを韓国の出店者向けに定期的に開催するほか、4月には国際決済関連事業を手がけるWorldfirst(ワールドファースト)と提携し、中国からの新規出店者の開拓強化にも乗り出す。日本と同様に、Qoo10大学の韓国版、中国版を構築して出店を検討する現地企業に向けての情報発信を図る考え。

 そのほか、直近の同モールの動向としては、会員数は対前年比で毎年20~30%の規模で増加しており、現在は約2300万人。出店者数は2万1400店で、商品数は12億点、モバイル訪問率は95%となっている。購入者については引き続き、10~30代が約7割を占めている。

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