パソコン専門店「ドスパラ」を運営するサードウェーブは9月19日、都内でクライアントビジネス方針発表会を開催した。
同社の2023年7月期売上高は、前期比約1%増の765億円だった。コロナ禍においては、リモートワークの増加などを受け、パソコン需要が大幅に増加したものの、コロナ禍が落ち着いた22~23年のパソコン市場は、需要が減少したことによる反動が出ている。同社では前期、本社移転や生産物流拠点の拡大、新規出店、新たな製品ラインの技術開発に取り組んだ。市場環境が厳しい中、増収で着地した理由について、井田晶也取締役兼上席執行役員副社長(=写真)は「ある程度、ターゲットを絞った製品作りを行ったことが挙げられる」と述べた。
24年7月期は、ゲーミングパソコンユーザー層の拡張や、クリエイター・デザイナーパソコンの成長、法人市場のさらなる開拓、文教市場におけるハイエンドPCの訴求、継続的な店舗展開とさまざまな製品訴求を図る。
同社では、EC売上高を開示していないが、数百億円規模にのぼるとみられる。今後の店舗とECの連動に関しては、店舗ではeスポーツやクリエイターを重視した体験を提供していく一方、ECにおいては、よりライトユーザーにも分かりやすいサイト作りを目指す。また、店舗・通販における成功事例のシステム化を行い、商圏の拡大を図る方針だ。2026年7月期の全社売上高は1000億円を目指している。