楽天は電子マネー事業の強化を進める。6月29日、KDDIと業務提携に関する基本合意書を締結。今秋をメドに、楽天の運営する仮想モール「楽天市場」にKDDIのキャリア決済サービスを導入する計画で、auユーザーの取り込みを狙う。同時に、auと楽天の電子マネー「Edy」双方の顧客情報などを活用したマーケティングも検討。リアル店舗への送客などを行うもので、ネット販売事業者に応用される可能性もありそうだ。
楽天はKDDIと「エディエーユー」をコンセプトに提携。月々の携帯電話料金と合算して支払いができるKDDIのキャリア決済サービス「auかんたん決済」から「Edy」へのチャージができるほか、今年の秋をメドにスマートフォン版「楽天市場」に同決済サービスを導入。auユーザーは「楽天市場」での購入代金を「auかんたん決済」で支払うことが可能になる。
現在は、「楽天市場」への同決済サービスの導入について、「詳細は今後検討していく」(楽天)という段階。ただ、利用する店舗に対しては何らかの審査や基準を設ける考えだという。導入店舗数の目標などは未定としている。
同取り組みは、まずは需要が高まっているスマートフォンから開始。PCやフィーチャーフォンでの同様の展開については「今後検討していきたいとは思っているが、時期等は未定」(同)のようだ。
今回の提携では、「Edy」とau双方の顧客属性や購買情報、位置情報などを分析・活用したマーケティングも検討。クーポンの配信や商品のレコメンド、タイムセール情報などでリアル店舗への送客を行う構想だ。楽天市場との連携は未定だが、例えばスマートフォン版「楽天市場」でこうした取り組みを行うことも今後は期待できそうだ。