マルハニチロは組織体制を再編し、通販事業の強化を進めている。今秋には自社通販サイトをリニューアル予定。顧客とマルハニチロの各事業をつなぐD2Cプラットフォームとし、同社の全事業部が活用できる場にしていく。
中期経営計画に掲げた営業利益400億円の達成に向け、マルハニチロは積極的な企業変革を推進。これまで通販事業は生協・無店舗営業部の一事業であったが、再編により、事業企画部に新設されたD2C推進室が受け持つこととなった。
同社の強みである水産商材は、これまでBtoB販売が大半を占めており、一般消費者に販売することはほとんどできていなかった。
通販サイト「マルハニチロダイレクト」(=画像)は「いわばカタログ通販の電子版。昔ながらのお客様が大半で、積極的な集客はできていなかった」(同社)という。新規獲得に向け、今秋にサイトを刷新する予定。「ECをお客様とのコミュニケーションの場にしたい」(同)と話す。
具体的には、水産商材に関する特設コンテンツの配信などを予定している。また、商品の開発背景や、原料調達など同社のバリューチェーンを紹介することで、顧客のマルハニチロに対する理解・関心を深める。他部署と連携し、各事業の魅力を伝えるコンテンツ配信も検討している。
現状「マルハニチロダイレクト」では通販専売の缶詰や、マグロたたきなどの業務用冷凍食品が人気という。今後は「マルハニチロ社員が厳選して調達した魚介類など、料理の材料として使える商材を強化していきたい」(同)。
通販サイトにおける新規顧客の獲得は、ウェブ広告の出稿やオウンドメディアの活用、オフライン施策などを考えている。メディアでは公式ホームページ、自社コミュニティサイト「Oishiine(おいしいね)‼」、SNS各種と連携してコンテンツ配信を行う。オフライン施策では自社店舗やスポットでのリアルイベント展開を予定している。