ナッシュが4月に開始した犬用健康食のサブスクリプションサービスが好調な立ち上がりとなっているようだ。冷凍宅配食と同じ品質の食材を使用した安心感が奏功。愛犬が飼い主と似たメニューを食べられることや、愛犬の食いつきの良さが奏功し顧客満足度の向上につながっている。今後、メニュー数は倍まで増やすほか、冷凍宅配食との連携なども検討し事業の拡大を目指していく。
犬用健康食は「nosh DOG」。糖質と塩分に配慮した独自の栄養基準を設けて、人間用の食材を使用した。スタート時のメニューは約30アイテムで、ビーフカレーやポークライス、チキンベジタブルなどをラインアップした。飼い主と愛犬が同じようなメニューを楽しむことができるようにした。
もともと冷凍宅配食「nosh」を展開する中で、愛犬も家族であることからドッグフードを構想。昨今愛犬の健康への関心の高まっており、糖質や塩分を抑えて健康的な食生活を提案する「nosh」の知見を活用できると判断した。「市場には人と同じ品質で安心して楽しめるドッグフードが少なく、他社との差別化につながる」(執行役員セールス担当の前川純一氏)と予想した。
強みは人と同じ基準でメニューを展開し、自社工場で製造する点。2拠点ある自社工場のうちの1カ所についてドッグフード用に改修し、専用の機材を導入した。使用する食材も「nosh」と同じ仕入れ先から調達するケースもあるという。
メニューは専属のシェフが開発を手掛け、専門家のアドバイスも受けた。犬が食べられない食材を排除した上で、味覚や嗅覚に優れる犬の特性を踏まえて検討。味だけでなく食感や香り、彩りなども重視し、愛犬の食いつきの良さを重視した。
今後メニュー開発をすすめ、現状の約2倍までラインアップを増やす。商品の入れ替えも視野に入れており、「メニューを変えながら、愛犬に食べ続けてもらう。愛犬がそっぽを向いた瞬間に(サブスクは)解約されてしまう」(同)と話す。満足度の高いメニューを提案し、飼い主の悩み解決につなげていく。
また、ECサイトでは機能強化を図り購入しやすい設計に見直していく。買い物の導線をわかりやすくするほか、写真、動画、商品説明をブラッシュアップする。4月30日から新機能として、愛犬の体重や年齢などから必要な食数を提案する機能を導入した。今後、累計購入数に応じた特典など優良顧客向けの施策や、冷凍宅配食「nosh」との連携などの検討もすすめていくようだ。
新規顧客獲得に向けてはウェブ広告のテストを実施している。ターゲットは都心部に住むペットとの暮らしを楽しむ層で、愛犬の食事の悩みの解決を提案する。「愛犬の食いつきの良さ」や「メニュー数」などの特長で訴求し、顧客との接点拡大をめざす。