ニトリホールディングスでは、自社通販サイトについてOMO戦略の強化を踏まえた購入導線の改善を昨年度に図っており、店舗受取比率の向上などが見られている。あわせて傘下の雑貨ブランドである「デコホーム」でのEC売り上げも伸長するなど、通販事業のテコ入れが進んでいる。
同社は昨年5月に通販サイトを刷新。まずは配送や店舗受取それぞれの納期や送料の視認性を高めており、あわせて梱包サイズの表示を分かりやすくし、店舗の在庫状況の表示なども新たに取り入れている。
その結果、EC刷新後の店舗受取件数は前年比118%に増加。かねてより狙っていた、実店舗とECの双方への来店を高めるOMO施策が効果を見せている。
また、デコホームをはじめアパレルの「N+(エヌプラス)」や、法人向けの「ニトリビジネス」、ホームセンターの「島忠ホームズ」といったニトリグループの各ブランドを横断的に取り扱うマーケットプレイス型にするなど、品ぞろえの拡大を実施。5月14日に都内で行なわれた決算説明会では、白井俊之社長が「EC、リアル店舗、配送を一体で捉え、サービスの向上に力を入れている」とした。
デコホーム事業については、今年2月に新商品約300点を厳選した商品展示会を開催し商品訴求を実施。実店舗についてもコンコース沿いの売り場周期の改善を高頻度で進めている。
商品露出拡大や売り場改善が進む中で、デコホームのEC売上高は前年比11.8%増となり、EC化率は15.6%となった。「ECを通じて商品に触れる顧客が増える中、リアル店舗での展開を求める需要も高まっている」(白井社長)とし、今年度については33店舗の出店を計画している。リアルとネットの相互送客をさらに進める考え。
ASEANでのEC拡大を計画
なお、海外事業に関して、昨年度はASEANでのフィリピンやインドネシアでのEC新規出店を実施。今期の売り場販売効率向上を目指す重点課題の一つに挙げており、ASEANのEC売上高を前年比207%まで拡大させる計画。あわせて、中国大陸についてはクイックデリバリーの拡大を図る考え。
そのほか、物流施策では22年以降、石狩、神戸、名古屋、幸手、仙台、福岡の6拠点で新たなディストリビューションセンター(DC)を稼働。物流拠点の総面積は約142万平方㍍となり、実店舗の約2分の1以上になるなど整備が整っている。一部拠点では3Dシャトル型の新マテハンも導入するなど保管効率の向上も進んでいるとした。