アパレルや家庭用雑貨などの通販を手掛けるどれみは、地上波や衛生放送のテレビ通販番組で、素材からこだわった自社ブランド商品を中心に売り上げを伸ばしている。
設立3年目ながら2011年3月期の売上高は、前年の3倍超となる1億5000万円を見込んでいる。9月末には自社通販サイト内で動画を利用したネット販売事業も展開し、来期は売り上げを3億円にまで伸ばしていく考えだ。
同社がテレビ通販で販売するのは、主に中高年女性向けの商品。五十嵐社長が30年間アパレル業界で働いていた経験もあり、業界の人脈からフランスや国内をはじめファッションに関する最新の情報を取り入れ、素材選びや商品企画を行っている。
「大手と同じように定番品を仕入れても、すでに市場に溢れている。リスクに対して逃げても本物は作れない」(五十嵐社長)とし、あくまでも自社での商品開発にこだわっている。
今期のヒット商品としては、クロコダイルの皮を使用した長財布。テレビ朝日で8月9日に放送された「ちい散歩」の通販コーナーで紹介されると、約1カ月間で700点以上を売り上げた。本来は3万円相当の商品だったが、在庫をすべて売り切ることに重点を置いて、1万9800円まで価格を抑えたことが奏功した。「6月放送の予定が延期して、(在宅率の低い)盆休みの時期と重なってしまったが、予想の2倍以上を売ることができた」(五十嵐社長)という。
同社が通販番組に出演するにあたって特に重点を置いているのが、商品の素材や制作現場の様子の紹介だ。前述のクロコダイル皮の長財布に関しても、番組の中では素材調達から縫製作業現場の様子などを詳しく紹介した。「国内はもちろん、海外製品でも職人の技術が行き届いた生産現場の様子を中心に、品質の良さをアピールしたい」(同)とする。
10月初旬には新商品のエイジングケア化粧クリーム「リュイドール」を発売する予定。アナツバメ巣エキス配合で肌の張りやシワの回復に効果があるという。
これまでは五十嵐社長自身も通販番組に出演して商品紹介をしていたが、同商品に関してはイメージキャラクターに声優の横山智佐さんを起用。ターゲットである40代の女性と同世代であるため、通販番組の中で実際に使用して同商品の効果を説明する内容なども検討している。
今後については、ウェブでの通販にも力を入れていく。9月末には、自社サイト「どれみふぁそら」で、ユーチューブなどを使った動画による通販を展開する予定で、アパレルや化粧品、地域の特産品などを取り扱っていく方針だ。
「来年からは地デジになり、よりテレビ画面で商品が売れる機会は増えるだろう。モバイルやウェブも含め、伸びていくコンテンツをうまく活用していきたい」(同)とした。