ワコールは４月２日から、他社のアウター商品の取り扱いを開始した。ワコールの下着を着用したことがない新規客層の開拓が狙いで、「アウターを美しく着こなすための下着選び」を提案する。アウターの初年度売上高は約３億円を予定し、５００点の取り扱いを計画する。
アウターの取り扱い開始に伴い、通販サイト「ワコールウェブストア」を全面刷新した。新たなコンセプトは下着がつくるシルエットを生かしたスタイルを提案する「ボディデザイニング」。アウターはワコール側が既存客に合致するものを１ブランド当たり30アイテム程度選定。ボトムスやワンピース、バッグなどを外部メーカーから仕入れ、ワコールのスタイリストがコーディネートを考案。ワンピースは太って見えないように「小さく見せるブラ」を紹介するほか、Ｔシャツには響きにくいモールドを提案する。
現状、取り扱うアウターは20～30代を向けのテイストの異なる３ブランドで、フランドルの「ルスーク」や惠山の「ロイヤルパーティー」「スパイラルガール」。今後、取り扱いブランドは10～20ブランドまで拡大していく。
同社の通販サイトの品ぞろえ５０００点のうち98％が自社商品となっており、52万人の既存客はワコールの下着を愛用するコアターゲットと分析。今期ネット販売事業が25％増の25億円と順調に拡大しており、これまでの既存チャネルの補完から脱却を図ることにした。店頭販売では難しい下着とアウターの併売を行うことで、これまで開拓できなかったワコール製品愛用者以外の獲得につなげたい考え。
６月をメドにアウターのサイト閲覧履歴や購買履歴、サイズに合わせたレコメンドを実施。既存客向けに下着とアウターのクロスセルを図り顧客の活性化する予定。また、アウターブランドと下着の共同開発も行いたいとしている。