ニッセンは1月17日、スマートフォンをカタログにかざすことでさまざまな情報を得られる無料アプリ「カタログカメラ」の配信を開始した。KDDIが進める拡張現実(AR)技術を使ったもの。これまでもカタログにAR技術を活用した試みを行っている通販企業はあったが、いずれも特定のページのみだった。ニッセンでは総合カタログを含む十数冊の春カタログすべて、掲載する全商品がARに対応する。新技術の導入でカタログ読者の購入率上昇や注文単価増を狙う。
スポンサードリンク
全商品がARに対応
1月中旬に発行した春号はARへの対応が目玉となる。掲載された商品にスマホをかざすと、商品ページに遷移。購入やくちコミ情報の確認などができる。なお、総合カタログ「ニッセン」だけでなく、同社が発行する数十冊あるすべての春カタログが対応している。「消費者の立場からすると、一部商品だけ便利な機能が使えてもあまり意味がない。やるならばすべてのカタログ、全商品対応すべきと考えた」(マーケティング本部マーケティング戦略室アライアンス&デバイスチームの神徳昭裕マネージャー)とする。
また、総合カタログでは表紙にも仕掛けを用意。スマホをかざすことで同社のキャラクターである香里奈さんが浮き出して“しゃべる”ほか、表紙のコーディネートを360度確認することが可能だ。「(ARは)QRコードではできないことを可能にする。デジタルカタログの素材をそのまま使うだけで特別な仕掛けが必要ない点も魅力だ」(神徳マネージャー)と話す。
カタログを読んで商品を購入する消費者の場合、ネットが入り口となる消費者よりも注文単価が高い。これは、欲しい商品を検索して購入するケースが多いネットと、商品一覧性の高いカタログの違いからくるものだ。とはいえ、カタログは商品の付加情報を伝えるという点ではネットに劣る。これをカバーするのがAR技術というわけだ。購入率上昇や注文単価増のほか、カタログの保存性を高める効果も期待できるという。
「値下げ通知」切り口に
実際に、ARはどの程度の利用が期待できるのだろうか。神徳マネージャーは「QRコードは実物を見れば『読み取ることで商品ページにアクセスできる』ことが感覚的に分かるが、ARは特別な目印がないだけに、まずは存在を消費者に知ってもらうことがネックになる」と話す。
ARについての告知を進めていくのはもちろんのこと、「使ってもらう」ための切り口として考えているのが「値下げ情報の通知」だ。アプリのマイリストに登録した商品について、値下げが行われた際に利用者に知らせる機能を設けた。便利な情報を即時に入手できることをアピールし、アプリをダウンロードしてもらうのが狙いだ。
総合カタログの表紙に関しても「香里奈さんがしゃべる」だけではない。同社で商品を購入した消費者がスマホを表紙にかざした場合は、「ニッセンのおすすめアイテム」として、商品をレコメンドする機能を設けた。「香里奈さんが浮き出るのを見て『すごいね』で終わってしまっては意味がない。恒常的に使えてもらえるアプリにしたい」(神徳マネージャー)。
アプリ改善は頻繁に
アプリは提供が始まったばかりだが、今後は1カ月に一度の改修を考えているという。アプリに寄せられるレビューを参考に、機能追加や改善を進める予定だ。スマホユーザーはレビューに付けられる評価、つまり「星の数」を目安としてアプリをダウンロードするかどうかを決めることが多いだけに、ユーザーからの評価には敏感にならざるを得ない。
春号以降もAR対応は継続していく。また、総合カタログの表紙については毎回仕掛けを変える予定だ。例えば裏表紙に家具が掲載されていた場合は、組み立て方の動画を見せる、といったことも考えているという。
今回の「カタログカメラ」はKDDIが1月17日からトライアルを開始したAR情報表示サービスを使ったもので、同サービスの本導入企業としてはニッセンが初となる。「SATCH VIEWER」をダウンロードしたスマホなどで商品パッケージをなど撮影すると、スマホの画面上に当該商品に関連する販促コンテンツなどが飛び出す仕組み。現状、森永製菓など16社がトライアルに参画している。KDDIでは今年3月末までトライアル参画企業を募集しており、「かざす(検索する)対象となる商品画像とリンク先URLを用意頂けば無料で試せる。多くの企業に参加して欲しい」(KDDIの執行役員・雨宮俊武新規ビジネス推進本部長)とする。ARがどういった効果をもたらすか。他の通販企業もトライアル参加を一考してみてもいいかも知れない。
ニッセンは1月17日、スマートフォン
をカタログにかざすことでさまざまな
情報を得られる無料アプリ「カタログ
カメラ」の配信を開始した。KDDIが
推進する拡張現実(AR)技術を使った
もの。これまでもカタログにAR技術を
活用した試みを行っている通販企業は
あったが、いずれも特定のページのみ
だった。ニッセンでは総合カタログを
含む十数冊の春カタログすべて、掲載
する全商品がARに対応する。新技術の
導入でカタログ読者の購入率上昇や注
文単価増を狙う。
全商品がARに対応
1月中旬に発行した春号はARへの対
応が目玉となる。掲載された商品にス
マホをかざすと、商品ページに遷移。
購入やくちコミ情報の確認などができ
る。なお、総合カタログ「ニッセン」
だけでなく、同社が発行する数十冊あ
るすべての春カタログが対応している。
「消費者の立場からすると、一部商品だ
け便利な機能が使えてもあまり意味が
ない。やるならばすべてのカタログ、
全商品対応すべきと考えた」(マーケテ
ィング本部マーケティング戦略室アラ
イアンス&デバイスチームの神徳昭裕
マネージャー)とする。
また、総合カタログでは表紙にも仕
掛けを用意。スマホをかざすことで同
社のキャラクターである香里奈さんが
浮き出して“しゃべる”ほか、表紙の
コーディネートを360度確認することが
可能だ。「(ARは)QRコードではでき
ないことを可能にする。デジタルカタ
ログの素材をそのまま使うだけで特別
な仕掛けが必要ない点も魅力だ」(神徳
マネージャー)。
カタログを読んで商品を購入する消
費者の場合、ネットが入り口となる消費
者よりも注文単価が高い。これは、欲
しい商品を検索して購入するケースが
多いネットと、商品一覧性の高いカタロ
グの違いからくるものだ。とはいえ、カ
タログは商品の付加情報を伝えるとい
う点ではネットに劣る。これをカバーす
るのがAR技術というわけだ。購入率上
昇や注文単価増のほか、カタログの保
存性を高める効果も期待できるという。 ニッセンは1月17日、スマートフォン
をカタログにかざすことでさまざまな
情報を得られる無料アプリ「カタログ
カメラ」の配信を開始した。KDDIが
推進する拡張現実(AR)技術を使った
もの。これまでもカタログにAR技術を
活用した試みを行っている通販企業は
あったが、いずれも特定のページのみ
だった。ニッセンでは総合カタログを
含む十数冊の春カタログすべて、掲載
する全商品がARに対応する。新技術の
導入でカタログ読者の購入率上昇や注
文単価増を狙う。
全商品がARに対応
1月中旬に発行した春号はARへの対
応が目玉となる。掲載された商品にス
マホをかざすと、商品ページに遷移。
購入やくちコミ情報の確認などができ
る。なお、総合カタログ「ニッセン」
だけでなく、同社が発行する数十冊あ
るすべての春カタログが対応している。
「消費者の立場からすると、一部商品だ
け便利な機能が使えてもあまり意味が
ない。やるならばすべてのカタログ、
全商品対応すべきと考えた」(マーケテ
ィング本部マーケティング戦略室アラ
イアンス&デバイスチームの神徳昭裕
マネージャー)とする。
また、総合カタログでは表紙にも仕
掛けを用意。スマホをかざすことで同
社のキャラクターである香里奈さんが
浮き出して“しゃべる”ほか、表紙の
コーディネートを360度確認することが
可能だ。「(ARは)QRコードではでき
ないことを可能にする。デジタルカタ
ログの素材をそのまま使うだけで特別
な仕掛けが必要ない点も魅力だ」(神徳
マネージャー)。
カタログを読んで商品を購入する消
費者の場合、ネットが入り口となる消費
者よりも注文単価が高い。これは、欲
しい商品を検索して購入するケースが
多いネットと、商品一覧性の高いカタロ
グの違いからくるものだ。とはいえ、カ
タログは商品の付加情報を伝えるとい
う点ではネットに劣る。これをカバーす
るのがAR技術というわけだ。購入率上
昇や注文単価増のほか、カタログの保
存性を高める効果も期待できるという。 ニッセンは1月17日、スマートフォン
をカタログにかざすことでさまざまな
情報を得られる無料アプリ「カタログ
カメラ」の配信を開始した。KDDIが
推進する拡張現実(AR)技術を使った
もの。これまでもカタログにAR技術を
活用した試みを行っている通販企業は
あったが、いずれも特定のページのみ
だった。ニッセンでは総合カタログを
含む十数冊の春カタログすべて、掲載
する全商品がARに対応する。新技術の
導入でカタログ読者の購入率上昇や注
文単価増を狙う。
全商品がARに対応
1月中旬に発行した春号はARへの対
応が目玉となる。掲載された商品にス
マホをかざすと、商品ページに遷移。
購入やくちコミ情報の確認などができ
る。なお、総合カタログ「ニッセン」
だけでなく、同社が発行する数十冊あ
るすべての春カタログが対応している。
「消費者の立場からすると、一部商品だ
け便利な機能が使えてもあまり意味が
ない。やるならばすべてのカタログ、
全商品対応すべきと考えた」(マーケテ
ィング本部マーケティング戦略室アラ
イアンス&デバイスチームの神徳昭裕
マネージャー)とする。
また、総合カタログでは表紙にも仕
掛けを用意。スマホをかざすことで同
社のキャラクターである香里奈さんが
浮き出して“しゃべる”ほか、表紙の
コーディネートを360度確認することが
可能だ。「(ARは)QRコードではでき
ないことを可能にする。デジタルカタ
ログの素材をそのまま使うだけで特別
な仕掛けが必要ない点も魅力だ」(神徳
マネージャー)。
カタログを読んで商品を購入する消
費者の場合、ネットが入り口となる消費
者よりも注文単価が高い。これは、欲
しい商品を検索して購入するケースが
多いネットと、商品一覧性の高いカタロ
グの違いからくるものだ。とはいえ、カ
タログは商品の付加情報を伝えるとい
う点ではネットに劣る。これをカバーす
るのがAR技術というわけだ。購入率上
昇や注文単価増のほか、カタログの保
存性を高める効果も期待できるという。
「値下げ通知」切り口に
実際に、ARはどの程度の利用が期待
できるのだろうか。神徳マネージャー
は「QRコードは実物を見れば『読み取
ることで商品ページにアクセスできる』
ことが感覚的に分かるが、ARは特別な
目印がないだけに、まずは存在を消費
者に知ってもらうことがネックになる」
と話す。
ARについての告知を進めていくのは
もちろんのこと、「使ってもらう」ため
の切り口として考えているのが「値下
げ情報の通知」だ。
アプリのマイリストに登録した商品
について、値下げが行われた際に利用
者に知らせる機能を設けた。便利な情
報を即時入手できることをアピールし、
アプリをダウンロードしてもらうのが
狙いだ。
総合カタログの表紙に関しても「香
里奈さんがしゃべる」だけではない。
同社で商品を購入した消費者がスマホ
を表紙にかざした場合は、「ニッセンの
おすすめアイテム」として、商品をレ
コメンドする機能を設けた。「香里奈さ
んが浮き出るのを見て『すごいね』で
終わってしまっては意味がない。恒常
的に使えてもらえるアプリにしたい」
(神徳マネージャー)。
アプリ改善は頻繁に
アプリは提供が始まったばかりだが、
今後は1カ月に一度の改修を考えている
という。アプリに寄せられるレビュー
を参考に、機能追加や改善を進める予
定だ。スマホユーザーはレビューに付
けられる評価、つまり「星の数」を目
安としてアプリをダウンロードするか
どうかを決めることが多いだけに、ユ
ーザーからの評価には敏感にならざる
を得ない。
春号以降もAR対応は継続していく。
また、総合カタログの表紙については
毎回仕掛けを変える予定だ。例えば裏
表紙に家具が掲載されていた場合は、
組み立て方の動画を見せる、といった
ことも考えているという。
◇
今回の「カタログカメラ」はKDDIが
1月17日からトライアルを開始したAR情
報表示サービス「SATCH VIEWER」を
使ったもので、同サービスの本導入企業
としてはニッセンが初となる。「SATCH
VIEWER」をダウンロードしたスマホな
どで商品パッケージなどを撮影すると、
スマホの画面上に当該商品に関連する販
促コンテンツなどが飛び出す仕組み。現
状、森永製菓など16社がトライアルに参
画している。KDDIでは今年3月末まで
トライアル参画企業を募集しており、「か
ざす(検索する)対象となる商品画像と
リンク先URLを用意頂けば無料で試せ
る。多くの企業に参加して欲しい」(KDDI
の執行役員・雨宮俊武新規ビジネス推進
本部長)とする。
ARがどういった効果をもたらすか。
他の通販企業もトライアル参加を一考し
てみてもいいかも知れない。