2014年のEC市場はどうなるのか?――。景気は回復基調にあると見られる一方で、4月には消費税の増税を控えているなど先行き不透明な日本経済。有力ネット販売実施企業は2014年における景況感や展望、また消費増税への影響や対策についてどう考えているのか。各社に聞いた。
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2014年のEC市場はこうなる!① EC各社に聞く今年の景況感は?
景況感は半数が「上向く」と回答も、増税で「どちらとも言えない」も4割
通販各社の今年の課題・施策は
景況感にあわせて各社に今年の抱負や解決すべき課題、重点施策などについて聞いた。注目されるネット販売実施企業の回答を見ていく。
「今年度より新たな中長期経営計画を決算時に発表予定。その中での重点施策としては、独自性のある商品開発とシステムや物流への投資によるサービスの充実等がある」(千趣会)、「商品・サービスの品質を追求しお客様の信頼を高めることに注力し、また消費税率引き上げに対して知恵と経験を使ってしっかりと対応していきたい」(ディノス・セシール)、「今期(2014年3月期)は消費増税後の消費環境悪化に備えて積極的な投資を行ってきたが、今年もシニア向け・単品通販・ネット販売に力を入れ、ビジネスモデルを構築したい。また、M&Aもひとつの手段となるだろう」(スクロール)、「今年は消費増税もあり、物流センターの新設を8月に控えていることもあり、そこまではアクセルを踏めない状況。そこからどこまで踏み込めるか。M&Aなども含めて、どこまでスピード感を持って取り組めるか。昨年後半くらいからようやく攻められる体力がついてきた。総合通販が伸ばすのが難しい市場環境だが、一方で(ここ数年事業を縮小していた)不動産事業や金融事業についてはやや環境が良くなってきた印象がある。こうした事業でカバーしつつ、来年総合通販を伸ばしていくための準備をしていきたい。M&Aについては、やろうと思ってやるものではないが、良い話があれば積極的に進めたい。特に単品通販強化に向けての選択肢となる」(ベルーナ)。「2014年から『楽天24』の運営することになり、日用品など売れ筋に絞った商品をいつでも安く早くお届けするサービスに重点的に取り組んでいく。また、2014年は医薬品を足掛かりにドラッグストア等が本格的にECに参入し、各プレイヤーのシェア争いが激しくなる。引き続き、優れたサービスを磨き続けていく」(ケンコーコム)、「短期的には価格政策を含めて消費者にアプローチを強めることが不可欠で、中長期的には新規客へのリーチに取り組む。グループではネット販売の強化やオムニチャネル化を推進している。紙媒体が中心の当社でも、既存顧客の維持と新規客の開拓に向け、従来の枠を超えた新手法にも着手しなければいけないと感じている」(JFRオンライン)などの声があった。