ヤフーショッピング、出店者のポイント原資負担アップへ――4月から最低負担が1%から2.5%に

流通総額に一定の効果をあげているポイント増量キャンペーン。出店者の原資負担アップもやむなしなのか…(キャンペーン告知ページより)

ヤフーは4月1日から、運営する仮想モール「ヤフーショッピング」で商品購入時にユーザーに付与するポイントの原資の出店者負担を増やす。「ヤフーショッピング」では商品購入時に購入額に応じて「Tポイント」を付与しているが、付与倍率は出店者が販売する商品の税込価格の1~15%まで自己負担で任意に設定できるが、最低でも1%の負担が必要となっている。この最低原資負担を現行の1%から「2.5%」とするもの。この一部を留保し、ポイントキャンペーン時の原資に充てる考え。

2015年はヤフーの負担で大規模なポイント増量キャンペーンを展開し、これが一定の効果を生む形で流通総額拡大の起爆剤としてきたものの、効果があるとは言え、このまま継続するには収益面に厳しいと判断。出店者にも負担を求めることにした模様だ。

複数出店者には昨年からヤフーから「4月1日から最低ポイント原資負担を2.5%としたい」という説明や要請があったもようで1月12日までにメールで全出店者にも通知した。

スポンサードリンク

ポイントキャンペ継続で痛み分け

ヤフーでは「ヤフーショッピング」の流通総額アップを図るため、各セール時でのポイント増量施策に加えて、2015年3月から有料会員制度「ヤフープレミアム」の会員を対象に、出店者のポイント原資負担額はそのままにヤフーが4%分の原資を負担する形でポイント付与率をアップする施策「Yahoo!プレミアム限定5倍キャンペーン」を実施。さらに2015年11月からは有料会員だけでなく、利用者全員に5%分のポイントを付与する「全員まいにち!ポイント5倍キャンペーン」を3月末まで実施しており、それらが同モールの流通総額の押し上げに一定の成果をあげているよう。

「ポイントによる販促効果は高いことが分かった。今後も継続してポイントキャンペーンなども実施していきたい。そのため、ユーザーに還元するポイントの原資を出店者の皆様にも若干、負担をお願いできれば」(同社)と出店者のポイント原資負担アップの理由について説明している。

出店者、「負担増」も仕方ない

4月1日からは「ヤフーショッピング」の出店者のポイント原資の最低負担率を商品価格の2.5%に上げても、当該商品購入者に即時に2.5%分が還元されるわけではなく、付与率は従来通り、1%のままで残りの1.5%は留保。定期的に実施するポイント増倍キャンペーンの原資として利用するという。関係筋によると、3月末までとして実施中の購入者全員を対象に行っている5%分のポイント付与キャンペーン「全員まいにち!ポイント5倍キャンペーン」が4月以降も継続される模様で、当面は同キャンペーンの原資に充当していくようだ。

ヤフーでは今期、積極的に実施してきた大型ポイントキャンペーンを来期も実施していきたい意向のようだが、ヤフーは下半期だけでも約200億円をポイントキャンペーンを含めたショッピング関連事業への投資に充当しており、そろそろモール内広告の拡販などで「ヤフーショッピング」での収益化を目指すフェーズに入っていきたい同社としては今後は自社負担を軽減させたい思惑もある模様だ。

とは言え、出店者にとっては負担が増え、利益減に直結しかねない問題だ。出店者の反応はどうなのだろうか。これについては「これまでヤフー負担によるポイントのバラマキでヤフーでの売り上げが順調なのは確か。ポイント原資負担は厳しいが、ポイント増量施策は効果的で負担も仕方ないのでは。負担が増えてもまだ他モールよりは少ない。ポイント増量施策が継続されれば来期も売り上げが伸びてくると思うので期待している」(某出店者幹部)など一定規模の出店者の多くはヤフー経由の売上高が伸びている以上は「仕方ない」との声も多いようだが果たして…。

NO IMAGE

国内唯一の月刊専門誌 月刊ネット販売

「月刊ネット販売」は、インターネットを介した通信販売、いわゆる「ネット販売」を行うすべての事業者に向けた「インターネット時代のダイレクトマーケター」に贈る国内唯一の月刊専門誌です。ネット販売業界・市場の健全発展推進を編集ポリシーとし、ネット販売市場の最新ニュース、ネット販売実施企業の最新動向、キーマンへのインタビュー、ネット販売ビジネスの成功事例などを詳しくお伝え致します。

CTR IMG