マガシークとロコンドは4月19日、相互出店に関する契約を締結し、今夏をメドに双方の取り扱い商品をドロップシップ形式で販売することになった。ファッションEC市場ではトップを走る「ゾゾタウン」と2位以下の商品取扱高の差が年々広がっており、有力モールが相互販売に乗り出すことは市場環境健全化の観点からも注目を集めており、競合モール間の連携を模索する動きが加速しそうだ。
両社の相互出店により、マガシークでは取り扱い品番数が少なかった靴を自社通販サイト「マガシーク」およびNTTドコモとの共同運営サイト「dファッション」で1800ブランド、約17万品番追加して販売できるようになり、品ぞろえの充実化が図れる。
一方のロコンドにとってもマガシークが持つ230ブランド、約8万品番のファッションアイテムを通販サイト「ロコンド」で販売可能となり、弱かったアパレルカテゴリーを強化できる。さらに、アパレル商品の撮影業務はロコンドが得意な靴やバッグと比べても手間がかかるが、マガシークの倉庫で撮影した商品情報を共有できるため、追加的なスタジオ投資を行うことなく、アパレル商品の取り扱い点数を増やせるという。
今回、物流面については、ロコンドの倉庫在庫を「マガシーク」と「dファッション」で販売し、注文が入った場合はロコンドの倉庫から直接、購入者に届ける。マガシークの倉庫在庫も同様のスキームで「ロコンド」で販売することで、倉庫間の横持ちが発生せずに消費者に早く届けることが可能だ。また、取引先ショップもシステム開発費用を投資することなく、在庫の分散を防ぎながら販売機会が増える。
マガシークとロコンドでは、定価商品は一律返品送料無料、セール品は一律返品不可の条件で相互販売を行う予定としている。
ファッションECモールの商品取扱高は現状、「ゾゾタウン」が2000億円を超えるのに対し、2番手以下は200億円前後にとどまっているが、マガシークとロコンドが手を組むことで「圧倒的な第2位グループを確立したい」(ロコンド)としている。