ユニクロは7月12日、「ユニクロアプリ」でのAIを活用した購入アシスタント機能「UNIQLO IQ」を実演するイベント(画像)を都内で開催した。当日はインフルエンサーなどを招いて、その機能や操作性などをアピールした。
同機能はチャット自動応答システム(チャットボット)により、音声やテキストを使って、顧客の商品情報検索や在庫確認、通販サイトへの誘導などを支援するもの。イベントではインフルエンサーが同アプリを使ってコーディネート提案などを受けた。
同アプリの買い物アシスタント機能では、利用シーンやアイテム種類、行事別など具体的な条件を受けてから、最適なコーディネート提案を実施している。これには通販サイトで蓄積された顧客レビューのほか、実店舗スタッフに顧客からよく受ける質問や要望内容をヒアリングしてAIが学習。具体的には「二の腕が隠れる」「肩幅」「透けない」「くすみ肌」といった体型の悩みなどに関するフリーワードからの商品検索にも対応している。
昨年9月からの実証実験では一部会員の2000人に向けて同機能を提供。その後、段階的に対象人数を広げて、15万人まで増やしていった。当初は各問合わせに対してAI側が「分かりません」とする返答が5割程度あったものの、直近ではそれが10%まで低下するほど対話精度が向上した。
また、3月からは同アプリ以外にも「LINE」上でも、通販サイトの利用方法や商品配送状況といったよくある問い合わせへの対応サービスを開始。6月15日からは「Googleアシスタント」上でも同様に開始している。
利用範囲を拡大したことで結果的に、顧客からの問い合わせが電話やEメールによるものから、チャットへとシフト。有人で対応する手間が減っていったことで、今年5月の時点で前年同月比で2倍以上の量の顧客問い合わせに対応できるようになったという。
なお、同アプリで蓄積された対話内容については、今後、既存商品の改良や新商品の具体化などに向けたマーケティングデータとしても活用する考え。「毎日使ってもらうことでAIの精度も上がっていく。会員規模もボリュームがあるので、データ(の蓄積)という面では競合と差別化できる」(グローバルデジタルコマース部の松山真哉部長)とした。