「ツモリチサト」や「ズッカ」などのデザイナーズブランドを手がけるエイ・ネットは、消費者目線でのオムニチャネル化を進める。一環として、9月11日に実店舗と自社通販サイト「HUMOR(ユーモア)」の顧客データベース(ID、ポイント)を統合。初のスマホアプリ「エイ・ネット メンバーシップ」を通じた会員組織をスタートする。
同アプリは会員証機能のほか、ブランドのコンセプトと世界観を表現したルックブックや新着商品、フェアの情報などを案内するほか、EC機能も設ける(画像)。
アプリ投入から半年で店頭とECのアクティブユーザー全員にメンバーシップ登録をしてもらうことを目指す。
また、顧客情報の統合を機にマーケティングオートメーション(MA)ツールも導入し、メルマガやアプリのプッシュ通知を介して顧客と最適なコミュニケーションを図りたい意向だ。
来期(2020年3月期)には自社通販サイトとリアル店舗、倉庫の在庫一元管理にも着手する計画で、「すべての遊休在庫を顧客が購入できる体制を整備したい」(関戸遼執行役員マーケティング統括部部長)とする。
エイ・ネットは昨年10月に関連会社で「ユーモア」の運営などを手がけていたウィットを吸収合併してEC事業を引き継いでいる。また、16年10月に自社通販サイトをリニューアルする以前は、「ユーモア」自体のブランディングに力を注いでいたが、刷新後は自社ブランドを前面に打ち出し、「ユーモア」はECプラットフォームの役割に徹している。今後もプラットフォームとしての機能強化を図る考えで、後払いなど決済面の充実や、アジアおよび世界を見据えた越境EC展開も視野にユーザビリティーを高め、顧客それぞれの都合に合わせて実店舗とECチャネルを選択できる環境を構築していく。